第16章 幾つもの日々を越えて
『…ヘルデウスとは、私が戦います。
この手で、彼とは最後の決着をつけたいのです』
マナの女神が、静かに強く呟く。
かつて愛し合い、今も憎みたくはない、敵にしたくはなかった相手。
自分以外の手にはかけられない。かけたくない。
たとえそれが、自己中心的な考えだと言われようとも。
『エステレラ、私にお供なさい。
ハエ騎士団や四天王の相手は、私の精霊達にお願いします。
私達は、精霊達の後に地獄へ』
「はい!
―――じゃあ皆!明日の午後2時に決行だ!!」
「「「「「「おうっ!!!!!」」」」」」
明日。明日で、全てが決まる。
これが本当に最後なのだ。
己が全てをかけて、何千年もに及ぶ戦いの歴史に終止符を。
善き未来を。
もう誰にも、躊躇いはなかった。
そして、翌日。
午後2時。決戦の時。
マナ一族は、円陣を組み決意と士気を高め合う。
もう戻れない。自分達の未来を定めるのは自分達だ。
この日の為に、自分達は努めてきたのだ。
鍛え上げた心、体。
信じ合える仲間。
恐怖も不安も何もない。
「皆!いよいよだ!!」
最初に、ホトが叫ぶ。
いよいよ、本当の意味での最終戦なのだ。
「これが最後だよっ!!」
次に、アダムが叫んだ。
銃を撃つのも銃声を聞くのも、これが最後。
これが最後だ。
「これまでいっぱい泣いたね!!?」
そして、みほが。
悲しみ、憤り、諦め、流した涙は皆数知れない。
辛い事にも目を背け、一心不乱に走り抜いて来た。
「いっぱい笑ったな!!?」
タオが叫んだ。
皆との思い出は、涙だけではない。
笑い合い、一人一人が切っても切れぬ繋がりを育んだ。
一人一人が大親友同士。家族以上に家族なのだ。
「超いっぱい頑張ったね!!?」
シアンが叫ぶ。
これまで切磋琢磨しあい、血の滲む努力をして来た日々を。
「皆、強くなりましてよっ!」
その次はイルカだ。
彼女は皆の強さを、生きる力を頼りにしている。
どんな強い武具を手にしようとも、皆以上には心強く感じないだろう。
「今こそ、絆を試す時!!」
マオが力強い声で叫ぶ。
すでに結ばれた絆ならば、どんな運命が待ち受けていようともなくなりはしない。
「皆、大好きです!!」
コルちゃんが、仲間への想いを叫んだ。
誰より大好きな、大好きな仲間達へ。
「皆、ソウルメイトだよっ!!」
チェンも、仲間への友情を叫ぶ。
全員、魂で繋がった大切な友達だ。
「我等に恐るるモノ無し!!」
元軍人の、果敢で勇ましい叫び。
誰が聞いても、戦闘に挑む屈強な戦士の声だ。
「私達なら勝てます!!」
次に、公家の女性とは思えぬ、キリリとした声が。
「これまでに培ってきた時間と友情、そして己を信じよ!!」
皆で過ごしてきた何世紀という月日は、無駄ではない。
この瞬間の為にあった。
ヒミコは叫ぶ。
「今やらないで、いつやる!!」
あゆむの決意が秘められた叫び。
今やらなければ、必ず、必ず自分達に楽しい明日は来ないだろう。
「未来を、ここにいる皆の手で!!それぞれの後悔なき光の道を!!」
エディが叫んだ。
旅立ってからこの日まで、後悔した事は一度とてなかった。
この決断も、決して後悔するまい。
「悪魔5億人っ!」
ミンウの叫びを合図に、全員が再び叫んだ。
ありったけの士気をこめて、ありったけの大声で。
「「「「「「「かかってこぉ――――――――いっ!!!!!!」」」」」」」
――――幾つもの日々を越えて、辿り着いた今の瞬間。
――――この日の空気を、絶対に忘れない。今なら、全てが見える。
――――絶対、失敗したりするもんか!
15人弾かれたように、風に乗り神殿を飛び出した。
この手で、彼とは最後の決着をつけたいのです』
マナの女神が、静かに強く呟く。
かつて愛し合い、今も憎みたくはない、敵にしたくはなかった相手。
自分以外の手にはかけられない。かけたくない。
たとえそれが、自己中心的な考えだと言われようとも。
『エステレラ、私にお供なさい。
ハエ騎士団や四天王の相手は、私の精霊達にお願いします。
私達は、精霊達の後に地獄へ』
「はい!
―――じゃあ皆!明日の午後2時に決行だ!!」
「「「「「「おうっ!!!!!」」」」」」
明日。明日で、全てが決まる。
これが本当に最後なのだ。
己が全てをかけて、何千年もに及ぶ戦いの歴史に終止符を。
善き未来を。
もう誰にも、躊躇いはなかった。
そして、翌日。
午後2時。決戦の時。
マナ一族は、円陣を組み決意と士気を高め合う。
もう戻れない。自分達の未来を定めるのは自分達だ。
この日の為に、自分達は努めてきたのだ。
鍛え上げた心、体。
信じ合える仲間。
恐怖も不安も何もない。
「皆!いよいよだ!!」
最初に、ホトが叫ぶ。
いよいよ、本当の意味での最終戦なのだ。
「これが最後だよっ!!」
次に、アダムが叫んだ。
銃を撃つのも銃声を聞くのも、これが最後。
これが最後だ。
「これまでいっぱい泣いたね!!?」
そして、みほが。
悲しみ、憤り、諦め、流した涙は皆数知れない。
辛い事にも目を背け、一心不乱に走り抜いて来た。
「いっぱい笑ったな!!?」
タオが叫んだ。
皆との思い出は、涙だけではない。
笑い合い、一人一人が切っても切れぬ繋がりを育んだ。
一人一人が大親友同士。家族以上に家族なのだ。
「超いっぱい頑張ったね!!?」
シアンが叫ぶ。
これまで切磋琢磨しあい、血の滲む努力をして来た日々を。
「皆、強くなりましてよっ!」
その次はイルカだ。
彼女は皆の強さを、生きる力を頼りにしている。
どんな強い武具を手にしようとも、皆以上には心強く感じないだろう。
「今こそ、絆を試す時!!」
マオが力強い声で叫ぶ。
すでに結ばれた絆ならば、どんな運命が待ち受けていようともなくなりはしない。
「皆、大好きです!!」
コルちゃんが、仲間への想いを叫んだ。
誰より大好きな、大好きな仲間達へ。
「皆、ソウルメイトだよっ!!」
チェンも、仲間への友情を叫ぶ。
全員、魂で繋がった大切な友達だ。
「我等に恐るるモノ無し!!」
元軍人の、果敢で勇ましい叫び。
誰が聞いても、戦闘に挑む屈強な戦士の声だ。
「私達なら勝てます!!」
次に、公家の女性とは思えぬ、キリリとした声が。
「これまでに培ってきた時間と友情、そして己を信じよ!!」
皆で過ごしてきた何世紀という月日は、無駄ではない。
この瞬間の為にあった。
ヒミコは叫ぶ。
「今やらないで、いつやる!!」
あゆむの決意が秘められた叫び。
今やらなければ、必ず、必ず自分達に楽しい明日は来ないだろう。
「未来を、ここにいる皆の手で!!それぞれの後悔なき光の道を!!」
エディが叫んだ。
旅立ってからこの日まで、後悔した事は一度とてなかった。
この決断も、決して後悔するまい。
「悪魔5億人っ!」
ミンウの叫びを合図に、全員が再び叫んだ。
ありったけの士気をこめて、ありったけの大声で。
「「「「「「「かかってこぉ――――――――いっ!!!!!!」」」」」」」
――――幾つもの日々を越えて、辿り着いた今の瞬間。
――――この日の空気を、絶対に忘れない。今なら、全てが見える。
――――絶対、失敗したりするもんか!
15人弾かれたように、風に乗り神殿を飛び出した。