第15章 友情の狂詩曲
数分後。
あゆむ達は愕然とした。
ただの更地と、その中心で静かに涙を流す悪魔しかいない光景に。
彼の目は虚ろぎ、焦点が定まっていない。
「な……っ……。何、これ……。
住んでた人は!?」
チェンが顔面蒼白で叫ぶ。
「……ッ……お前だろっ!!?」
あゆむは、直感で覚った。
この更地を生み出した人物が、ベルフェーゴルであるという事に。
「あ、あゆむ…?!」
「こいつだ!!こいつから、異様なチカラを感じるんだ!!
こいつにしか出来ない!!」
あゆむは、まるで人が変わったように取り乱す。
「…………」
ベルフェーゴルは、無表情をあゆむに向けた。
「…裏切り者……」
「は…?」
タオが眉をひそめる。
「女神も、エステレラも、裏切り者。
人間も、裏切り者。
もう誰も、信じない」
「……………」
タオは、ベルフェーゴルの抑揚のないポツポツとした言葉に、自身の過去を重ね合わせ俯く。
「ヘルデウス様………。ファル。ベルベル。アニー。
悪魔がいれば、それでいい……」
無表情でポタポタと頬から雫を伝わせながら、ベルフェーゴルは4人に向かい手を翳した。
「他なんか要らない……お前らも、消してやる」
「…ッ…………!狂ってる…」
あゆむは、警戒しつつ独語した。
「聖書で見たサタンだ!!神父様が言ってたベルフェーゴルだ……!!」
アダムは、かつて教え込まれた《悪魔》への恐ろしさに身を震わせる。
そんな彼らなどまるで目に映してないかのように、ベルフェーゴルは魔力を放った。
魔力が自分達を飲み込むと覚悟した瞬間、何者かが魔力を相殺した。
「…ふぅ……。間に合ったか……」
そして一同の目の前には、黒髪をひとつに結わえ丈の短い着物を着た少女がいた。
少女は四人に振り向くと、「危なかったのう」と労う素振りを見せる。
「…………!あ…あなたは…!」
「知ってるの?あゆむ?」
「わらわはヒミコ。この区域の元女王じゃ。
今日のことを夢に見て、弟に先日地位を譲って参ったのだが……」
「…2代目、巫女…」
呟いたベルフェーゴルを、ヒミコはキッと睨み付ける。
あゆむ達は愕然とした。
ただの更地と、その中心で静かに涙を流す悪魔しかいない光景に。
彼の目は虚ろぎ、焦点が定まっていない。
「な……っ……。何、これ……。
住んでた人は!?」
チェンが顔面蒼白で叫ぶ。
「……ッ……お前だろっ!!?」
あゆむは、直感で覚った。
この更地を生み出した人物が、ベルフェーゴルであるという事に。
「あ、あゆむ…?!」
「こいつだ!!こいつから、異様なチカラを感じるんだ!!
こいつにしか出来ない!!」
あゆむは、まるで人が変わったように取り乱す。
「…………」
ベルフェーゴルは、無表情をあゆむに向けた。
「…裏切り者……」
「は…?」
タオが眉をひそめる。
「女神も、エステレラも、裏切り者。
人間も、裏切り者。
もう誰も、信じない」
「……………」
タオは、ベルフェーゴルの抑揚のないポツポツとした言葉に、自身の過去を重ね合わせ俯く。
「ヘルデウス様………。ファル。ベルベル。アニー。
悪魔がいれば、それでいい……」
無表情でポタポタと頬から雫を伝わせながら、ベルフェーゴルは4人に向かい手を翳した。
「他なんか要らない……お前らも、消してやる」
「…ッ…………!狂ってる…」
あゆむは、警戒しつつ独語した。
「聖書で見たサタンだ!!神父様が言ってたベルフェーゴルだ……!!」
アダムは、かつて教え込まれた《悪魔》への恐ろしさに身を震わせる。
そんな彼らなどまるで目に映してないかのように、ベルフェーゴルは魔力を放った。
魔力が自分達を飲み込むと覚悟した瞬間、何者かが魔力を相殺した。
「…ふぅ……。間に合ったか……」
そして一同の目の前には、黒髪をひとつに結わえ丈の短い着物を着た少女がいた。
少女は四人に振り向くと、「危なかったのう」と労う素振りを見せる。
「…………!あ…あなたは…!」
「知ってるの?あゆむ?」
「わらわはヒミコ。この区域の元女王じゃ。
今日のことを夢に見て、弟に先日地位を譲って参ったのだが……」
「…2代目、巫女…」
呟いたベルフェーゴルを、ヒミコはキッと睨み付ける。