第2章 "3代目"の集結

「うそつけ!」
「てめぇ以外に誰がこんなコトできるってんだよ?!」
責められている青髪の少年は、着ているチャイナ服の裾を握り気弱そうながら必死に訴えた。

「ほ…本当に、僕はやってないですっ…。
何も証拠だってないのに、決め付けないでください!!」
少年が怯えながら必死に伝えようとする。
しかし、彼を責めている少年のひとりが彼を指し叫んだ。
「うそつけ、マナ一族が!!!
今日は何人殺したんだよ?!」
みほとエディは、衝撃のあまり言葉も出なかった。
自分の仲間が、マナの一族が、こんな言葉を投げかけられる事実。
それはやはり、人間離れの能力ゆえか…。
マナ一族の少年は、肩くらいまで切りそろえた青髪を振り乱し首を左右に振り否定している。
「し…知らない…。
知らない…ですっ……」
彼の頬をポロポロ伝う涙を見て、エディとみほはついに黙っていられなくなった。
「おいっ、自分ら!やめんか!!」
「そーよ、その子が何したってのよ?!」
「学校で、大量殺害事件が起きたらしいんだよ。
警備員もやられて、犯人もまだ見つかっちゃいねぇ」
少年のひとりが、村に何が起こったかを説明する。
マナ一族の少年は、この事件のせいで濡れ衣を着せられているのだ。
「それは単に、強盗か何かが入っただけやろ!」
「―――ハッ!
お前ら、コイツの事よく知りもしないからそんなコト言えるんだよ!
コイツがどんなに危険物なのか知らないんだ!!」
聞いたみほは、その言葉に冷笑した。
「フン、マナの一族が危険物ですって?
とんだお笑い草ね。あーくだらない」
「ほんなら、わいらも自分らには怪物に見えるんか?アホちゃうか。
―――ほな、行くで」
エディも低く言いながら、マナ一族の少年の背を自分達のほうに押し共に来るよう促した。
そのまま村の外へ行くと、遠くから「なんだアイツら…」という声が聞こえたが三人は無視して立ち去った。

村から離れた誰もいない場所で、エディは青髪の少年に声をかけた。
「大丈夫か?ケガないか?」
「はい…。謝謝」
少年は、自国の言葉で礼を述べる。
「あなたも、三代目のマナ一族なのね。私達もそうなのよ。
だから、他人に思えなくってついお節介しちゃった」
「そんな、お節介だなんて……。かばってくれて、嬉しかったです」
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