第15章 友情の狂詩曲
チョルくんが天上界に行った事は、彼自身の口によりヘルデウスや四天王に知らされた。
それに対しヘルデウスは咎めなかったが、何故かベルフェーゴルが食って掛かった。
「おめ、どういうつもりや。ひとりで天上界さ行ぐあんて(行くなんて)」
「落ち着かんね。何言ってるかわからんし」
「ひとりでそんだ遠ぐまで行ってやぁ~、けえって来らいねぐなったばどおすんなや?
竜太郎が道覚えでねがったばやぁ~、おめ迷子さなったっけぞ。
のぉ~?んださげおめはやぁ~……?
(ひとりでそんな遠くまで行ってさ、帰って来れなくなったらどうするの?
竜太郎が道覚えてなかったらさ、迷子になってたよ。
なぁ?だからお前はさ~……?)」
「だぁかぁらあっ!何言ってるかわかんないんよ!!
うぎゃーネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチ!!男んくせにっ!!」
まったりとしたスピードでじわじわ自分を追い詰めてくるベルフェーゴルに耐えきれず、ついにチョルくんは叫んだ。
「何回ネチネチ言うてんなや。読みづれで」
「心配してくれたんはありがたかとやけどなぁ~っ!?
そん訛りどげんかせんかぁーっ!!
ウザくてかなわないんよっ!!」
「おめえが言うなっす。
この訛りは不可抗力っす。
1000年前、任務で倭区域に住んでた時に移ったあんよ。仕方ねろ?」
「…いや、開き直んじゃなかよ…」
「帰ったばのぉ~、話した瞬間皆がらめちゃくちゃ笑わいだっけ…」
「やろうなー……
(え、えっと……。
帰ったらね、話した瞬間皆からめちゃくちゃ笑われたよ、でよかとかな?
多分、そうなんやろな)」
ベルフェーゴルの言っている意味を理解すべく、チョルくんは、懸命に頭を回転させる。
そしてそんな彼の推理は、実は正解していた。
「わがってくいでもっけだのぉ~(理解してくれてありがとう)……チョルはん」
「はん?!!」
(にしても、1000年前…。2代目達の出会った時か。)
(そういや、2代目連中っちどげんして出会ったんやろか?)
「どうでもいい事考えてねえで行くっすよ、チョル」
「…。お前、切り替え早かね…」
「どうしたの?元気ないね?」
部屋で浮かない顔のコルちゃんに、チェンが隣に腰を下ろし声をかけた。
「なんか悩み事?
そうでなくても、戦争中だし、気を張るのも当然かな…」
「…わたし。自分がマナ一族だっていう事、家族に教えてないんです。
誰にも何も言わずに旅立ったの」
コルちゃんは、ポツリと弱々しい声で口を開く。
彼女は、極度の戸惑いからか今にも泣きそうな表情をしている。
「教えたら、わたし、きっと嫌な思いをする……。
でも、このまま後悔してしまうのも…。
――どうしたらいいのか、わからないんです!」
それに対しヘルデウスは咎めなかったが、何故かベルフェーゴルが食って掛かった。
「おめ、どういうつもりや。ひとりで天上界さ行ぐあんて(行くなんて)」
「落ち着かんね。何言ってるかわからんし」
「ひとりでそんだ遠ぐまで行ってやぁ~、けえって来らいねぐなったばどおすんなや?
竜太郎が道覚えでねがったばやぁ~、おめ迷子さなったっけぞ。
のぉ~?んださげおめはやぁ~……?
(ひとりでそんな遠くまで行ってさ、帰って来れなくなったらどうするの?
竜太郎が道覚えてなかったらさ、迷子になってたよ。
なぁ?だからお前はさ~……?)」
「だぁかぁらあっ!何言ってるかわかんないんよ!!
うぎゃーネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチ!!男んくせにっ!!」
まったりとしたスピードでじわじわ自分を追い詰めてくるベルフェーゴルに耐えきれず、ついにチョルくんは叫んだ。
「何回ネチネチ言うてんなや。読みづれで」
「心配してくれたんはありがたかとやけどなぁ~っ!?
そん訛りどげんかせんかぁーっ!!
ウザくてかなわないんよっ!!」
「おめえが言うなっす。
この訛りは不可抗力っす。
1000年前、任務で倭区域に住んでた時に移ったあんよ。仕方ねろ?」
「…いや、開き直んじゃなかよ…」
「帰ったばのぉ~、話した瞬間皆がらめちゃくちゃ笑わいだっけ…」
「やろうなー……
(え、えっと……。
帰ったらね、話した瞬間皆からめちゃくちゃ笑われたよ、でよかとかな?
多分、そうなんやろな)」
ベルフェーゴルの言っている意味を理解すべく、チョルくんは、懸命に頭を回転させる。
そしてそんな彼の推理は、実は正解していた。
「わがってくいでもっけだのぉ~(理解してくれてありがとう)……チョルはん」
「はん?!!」
(にしても、1000年前…。2代目達の出会った時か。)
(そういや、2代目連中っちどげんして出会ったんやろか?)
「どうでもいい事考えてねえで行くっすよ、チョル」
「…。お前、切り替え早かね…」
「どうしたの?元気ないね?」
部屋で浮かない顔のコルちゃんに、チェンが隣に腰を下ろし声をかけた。
「なんか悩み事?
そうでなくても、戦争中だし、気を張るのも当然かな…」
「…わたし。自分がマナ一族だっていう事、家族に教えてないんです。
誰にも何も言わずに旅立ったの」
コルちゃんは、ポツリと弱々しい声で口を開く。
彼女は、極度の戸惑いからか今にも泣きそうな表情をしている。
「教えたら、わたし、きっと嫌な思いをする……。
でも、このまま後悔してしまうのも…。
――どうしたらいいのか、わからないんです!」