第14章 いつの日か、皆
「本当にかっこよく成長しましたわねぇ、チョルくん……。
わたくし感無量ですわ」
「いやぁ、ヌナ…。そんなそんな…。
それほどでもありますけど?」
(えらい照れてはる……)
「本当に良かったのう。また会えて……。
しかも、アスデモスのドラゴンに乗って来るとは」
「良いのですか?戦争中ですのに」
マナがクスクスと微笑む。
「ああ、いいんよいいんよ。
後で一言謝っときゃあすむし」
軽く返答すると、チョルくんは雰囲気を変え言葉を続けた。
「いいか?悪魔は、本気でマナの者と人類の殲滅をはかっとう。
地上を、悪魔の帝国にする気なんよ。
地面に触れただけで指が凍てつく地獄では、いつまでいたって希望が持てんとな。
戦争なんか何度もあった、次がある、なんて考えとったらその日のうちに死ぬると思わんね。
あいつら、今回を最後の戦争にしようと思っとう」
「前から感じてはいましたけれど……。彼らの言う事なす事って、エゴですわ」
「無体な事を。なぜ、サタンはそこまで……」
イルカ、ホトが言った。
「幸せになりたいだけなんよ。それだけしかなか。
…あいつら、不器用なんよね」
チョルくんの悲しげな言葉を聞いて、エディは思い出した。
ルシファーから聞かされた、悪魔の過去を。
悪魔達は、本当に幸せになりたいに違いない。
しかし、誰にも認めてもらえないから、不器用な手段に出るしか方法がないのだろう。
「…いつの日か…。皆が幸せになれたらええのにな……」
エディは、半分独り言のようにポツリと呟いた。
それを聞いて、一同はハッと言葉を失った。
「…ごめんね。敵の幸せを願うなんて、変やね。
それでも、彼らは……。
………………」
自分の言っている事への罪悪感に俯くが、エディは必死な顔で再び前を見る。
「でも、一番はここにいてる皆なんよ!?」
「わかっておるよ。皆、わかってる」
ヒミコが、優しい表情を浮かべ皆の気持ちを代弁した。
「別に、お前を責めたりしないさ。
オレらだって1度は考えた事だしな。
勧善懲悪って、なんなんだろって」
タオが、ヒミコに次いで口にした。
「そう、であるな……。
彼らの戦う理由を、知れば知るほどに……」
イリスェントも言った。
「ふーん。初代と2代目の連中は知っとうとか。
…ちゅーかブサメン。お前何があったと?
戦った時、ルシファーの野郎になんか言われたと?」
「何……ッ!?エディオニール、汝はあのルシファーと戦ったのか?!
3代目でありながら、よく無事に生き残れたな…我々初代も2代目も、ミンユーもコルバもシェムルカもみほも長く地上に降りた気配はなかったぞ!」
マオが珍しく、感情を剥き出しにして驚く。
「後から、みほが助けに来てくれたんよ。
彼女がいなかったら、わいは今頃あいつに首を持って行かれとった」
対しエディは静かに答えた。
「そんな事はいいです!
戦争中なんだから、強敵との不意をつかれたバトルなんていくらでもある!!
生き残ったんだから何も言う必要ない!!
それより、ルシファーと何があったか話してください!!」
ミンウが、いつになく強い姿勢でエディに詰め寄る。
おとなしい少年とは思えぬほどの迫力があるその様は、周囲の誰もが驚くほどだ。
その必死の形相に、エディは初めてミンウを怖いと感じた。
(…初めて見た……。ミンウが、エディに対して怒鳴った……)
みほは、信じられないという驚きを隠せずにいる。
(あの、どちらかと言えば従うタイプのミンウが………。
それだけこの子は、エディが大切なんだ……)
わたくし感無量ですわ」
「いやぁ、ヌナ…。そんなそんな…。
それほどでもありますけど?」
(えらい照れてはる……)
「本当に良かったのう。また会えて……。
しかも、アスデモスのドラゴンに乗って来るとは」
「良いのですか?戦争中ですのに」
マナがクスクスと微笑む。
「ああ、いいんよいいんよ。
後で一言謝っときゃあすむし」
軽く返答すると、チョルくんは雰囲気を変え言葉を続けた。
「いいか?悪魔は、本気でマナの者と人類の殲滅をはかっとう。
地上を、悪魔の帝国にする気なんよ。
地面に触れただけで指が凍てつく地獄では、いつまでいたって希望が持てんとな。
戦争なんか何度もあった、次がある、なんて考えとったらその日のうちに死ぬると思わんね。
あいつら、今回を最後の戦争にしようと思っとう」
「前から感じてはいましたけれど……。彼らの言う事なす事って、エゴですわ」
「無体な事を。なぜ、サタンはそこまで……」
イルカ、ホトが言った。
「幸せになりたいだけなんよ。それだけしかなか。
…あいつら、不器用なんよね」
チョルくんの悲しげな言葉を聞いて、エディは思い出した。
ルシファーから聞かされた、悪魔の過去を。
悪魔達は、本当に幸せになりたいに違いない。
しかし、誰にも認めてもらえないから、不器用な手段に出るしか方法がないのだろう。
「…いつの日か…。皆が幸せになれたらええのにな……」
エディは、半分独り言のようにポツリと呟いた。
それを聞いて、一同はハッと言葉を失った。
「…ごめんね。敵の幸せを願うなんて、変やね。
それでも、彼らは……。
………………」
自分の言っている事への罪悪感に俯くが、エディは必死な顔で再び前を見る。
「でも、一番はここにいてる皆なんよ!?」
「わかっておるよ。皆、わかってる」
ヒミコが、優しい表情を浮かべ皆の気持ちを代弁した。
「別に、お前を責めたりしないさ。
オレらだって1度は考えた事だしな。
勧善懲悪って、なんなんだろって」
タオが、ヒミコに次いで口にした。
「そう、であるな……。
彼らの戦う理由を、知れば知るほどに……」
イリスェントも言った。
「ふーん。初代と2代目の連中は知っとうとか。
…ちゅーかブサメン。お前何があったと?
戦った時、ルシファーの野郎になんか言われたと?」
「何……ッ!?エディオニール、汝はあのルシファーと戦ったのか?!
3代目でありながら、よく無事に生き残れたな…我々初代も2代目も、ミンユーもコルバもシェムルカもみほも長く地上に降りた気配はなかったぞ!」
マオが珍しく、感情を剥き出しにして驚く。
「後から、みほが助けに来てくれたんよ。
彼女がいなかったら、わいは今頃あいつに首を持って行かれとった」
対しエディは静かに答えた。
「そんな事はいいです!
戦争中なんだから、強敵との不意をつかれたバトルなんていくらでもある!!
生き残ったんだから何も言う必要ない!!
それより、ルシファーと何があったか話してください!!」
ミンウが、いつになく強い姿勢でエディに詰め寄る。
おとなしい少年とは思えぬほどの迫力があるその様は、周囲の誰もが驚くほどだ。
その必死の形相に、エディは初めてミンウを怖いと感じた。
(…初めて見た……。ミンウが、エディに対して怒鳴った……)
みほは、信じられないという驚きを隠せずにいる。
(あの、どちらかと言えば従うタイプのミンウが………。
それだけこの子は、エディが大切なんだ……)