「ええーい!!迷うより行動だし!!
男なら行動で示さんね!!
きっと、ヌナだけは俺のこと100％わかってくれるし！
いざ！行かんね竜太郎！神殿へー!!」
『キュー!!』
チョルくんがびしっと目の前を指す方に、まっすぐその方に竜太郎。
「ああっ、あれは?!
アスデモスのドラゴン!!」
「誰か乗っているのである!!」
「悪魔でしょうか!?」
「!?」
振り向けば、やや遠くには―――‥‥‥。
「アダム…!?イリスェント!?コルちゃん!?」
チョルくんはぱあっと顔を輝かせる。
「これ以上ここに入れさせるものか!!」
「アダム!!銃弾の数は気にするな!!
倒すことのみに専念するのである!!」
「OK!!」
「コルちゃん！相手がこちらへ向かって来たら、足止めさせるのは君の役目である!!」
「はい!!さあマハラジャちゃん、いきますよっ!!
飛びかかって１秒でも速く喉元に噛み付くの!!」
「わぁ――――っ!!
待て待て待て!!撃つな!!かむな!!
俺だし！俺だし!!」
二人にアサルトライフルとハンドガンを向けられ、コルちゃんの首もとのマハラジャちゃんが威嚇し始め、チョルくんは両手を上げ必死に叫ぶ。
「テチョルだし!!つーかチョルくんだし!!
このドラゴンは、アスデモスから拝借しただけなんよーっ!!」
「What!?チョルくん!?」
「チョルくんであるというのか!?」
チョルくんに気付くと、慌てて二人とも武器を下ろした。
「なぜ!?なぜここに!?
でも会えて嬉しーい!!」
アダムは、おおはしゃぎでチョルくんの近くまで近寄る。
「まさか、ドラゴンに乗って来るとは…。
さすがなのである」
イリスェントは、驚きを隠せずにいる。
「よ、良かった…。マハラジャちゃんに噛み付かせないで……。
わたしが、イルカさんに殺されちゃうとこでした。
ごめんなさい。戦争中で、ピリピリしてるんです」
コルちゃんもマハラジャちゃんも、反省しているようだ。
「皆、久しぶりだし！覚えとってくれて嬉しかよ！
…すまん。こげな時期に、突然来ちまって」
「なーに、いいのさ！
みんなだって、チョルくんに会いたがっていたんだから!!
もちろん、このボクだってね？」
「イルカや皆に会っていくといいのである。
誰も追いやったりしないであるよ」
「そうですよ。聖域にも、あとで皆さんといきましょ？
女神様やエステレラさんにも、ごあいさつしたほうがいいです」
「…んっ！」
チョルくんは、明るい顔で頷いた。