第14章 いつの日か、皆
その数日後。
「ちょ、ちょっとお!?」
「どしたの?アニーお姉様?」
「竜太郎がいないの!!」
アスデモスが竜太郎にエサを与えようとしたところ、いつもいた場所に竜太郎がいないのだという。
可愛いペットの行方不明に、アスデモスは本当に一大事ですよといった顔をしている。
「竜太郎が…?
おかしいっすね。アニーがいいって言うまで、散歩に行くような奴じゃないのに‥‥」
「そうなのよ…。グレちゃったのかしら?」
「アスデモス様ーっ!!!」
そこに、一人のサタンが顔に焦りの色を浮かべやって来た。
どうやら、ハエ騎士団の一人らしく、漆黒の槍を手にしている。
「どうかした?」
「申し訳ありません!!竜太郎を、竜太郎を人質に奪われてしまいました!!」
「なんだって!!?」
アスデモスの表情が険しくなる。
「デタラメ言うんじゃないよ!!
どうしてチョルくんが、私のペットを奪わなくちゃいけないんだい?!!
あの子がそんな事するはずないだろ!
あの子はねえっ、私が竜太郎を可愛がってるのをようく知ってるのさ!
冗談も大概にしな!!リストラされたいのかい?!」
「ひ、ひいいっ……!」
(あっちゃー、アニー素が出ちゃったっす…)
(あんなこと言ったら、アニーお姉様が怒るの当然だよね)
(相変わらずかっこいいなあ、彼女。
なぜ普段隠すんだろう?)
ベルフェーゴル、ベルゼバブ、ルシファーが心で呟いた。
「ほっ、本当ですう~っ!!竜太郎に乗って、どこかへ……!!
私が止めるも、竜太郎のほうがそれを阻止して…!
“ちょっと借りてくだけだし!暗うならんうちに帰るし!”とかなんとか…!!」
「ああ、そう……。ならいいわ。
チョルくんも竜太郎も、どこ行ったのかしらね」
「は、はいぃ……」
よほど恐ろしかったのか、サタンはへなへなと脱力し、その場に座り込んだ。
恐るべし。アニーお姉様。
「何やってんの?
ほら、怒って悪かったわよ。手ぇ貸したげるから立ちなさい」
アスデモスは、中腰になり困ったように微笑みサタンに細い片手を差し出す。
その美しい笑顔に、今度はサタンはかぁーっと耳まで赤くなる。
「す、すみません…」
サタンは、ドギマギしながらも差し出された手につかまり立ち上がった。
「やや草食系のメンズっすね…」
「君にだけは言われたくないと思うよ、ベルフェーゴル君」
「ちょ、ちょっとお!?」
「どしたの?アニーお姉様?」
「竜太郎がいないの!!」
アスデモスが竜太郎にエサを与えようとしたところ、いつもいた場所に竜太郎がいないのだという。
可愛いペットの行方不明に、アスデモスは本当に一大事ですよといった顔をしている。
「竜太郎が…?
おかしいっすね。アニーがいいって言うまで、散歩に行くような奴じゃないのに‥‥」
「そうなのよ…。グレちゃったのかしら?」
「アスデモス様ーっ!!!」
そこに、一人のサタンが顔に焦りの色を浮かべやって来た。
どうやら、ハエ騎士団の一人らしく、漆黒の槍を手にしている。
「どうかした?」
「申し訳ありません!!竜太郎を、竜太郎を人質に奪われてしまいました!!」
「なんだって!!?」
アスデモスの表情が険しくなる。
「デタラメ言うんじゃないよ!!
どうしてチョルくんが、私のペットを奪わなくちゃいけないんだい?!!
あの子がそんな事するはずないだろ!
あの子はねえっ、私が竜太郎を可愛がってるのをようく知ってるのさ!
冗談も大概にしな!!リストラされたいのかい?!」
「ひ、ひいいっ……!」
(あっちゃー、アニー素が出ちゃったっす…)
(あんなこと言ったら、アニーお姉様が怒るの当然だよね)
(相変わらずかっこいいなあ、彼女。
なぜ普段隠すんだろう?)
ベルフェーゴル、ベルゼバブ、ルシファーが心で呟いた。
「ほっ、本当ですう~っ!!竜太郎に乗って、どこかへ……!!
私が止めるも、竜太郎のほうがそれを阻止して…!
“ちょっと借りてくだけだし!暗うならんうちに帰るし!”とかなんとか…!!」
「ああ、そう……。ならいいわ。
チョルくんも竜太郎も、どこ行ったのかしらね」
「は、はいぃ……」
よほど恐ろしかったのか、サタンはへなへなと脱力し、その場に座り込んだ。
恐るべし。アニーお姉様。
「何やってんの?
ほら、怒って悪かったわよ。手ぇ貸したげるから立ちなさい」
アスデモスは、中腰になり困ったように微笑みサタンに細い片手を差し出す。
その美しい笑顔に、今度はサタンはかぁーっと耳まで赤くなる。
「す、すみません…」
サタンは、ドギマギしながらも差し出された手につかまり立ち上がった。
「やや草食系のメンズっすね…」
「君にだけは言われたくないと思うよ、ベルフェーゴル君」