第14章 いつの日か、皆
「…参ったね。見せつけられちゃったよ。
今日のところは、そのお嬢さんに免じて帰るとしよう。
女性を泣かせるものではないからね」
ふっと呆れたような諦めたような笑みを浮かべると、ルシファーは立ち上がったエディに向かい、一言添えた。
「マナ一族の、最も強い武器は友情…本当だと思うよ」
その言葉と共に、ルシファーの姿が音もなく消える。
場に静寂が戻るなか、先に口を開いたのはレミだった。
「…今のは一体、何事だったのだ?
なぜ、悪魔が斯様な所に?」
みほにも理解できるようにと考慮してか、倭区域の言葉で問いかけている。
「して……。そちらの、お嬢さんは?」
「あっ、あたし?あたしは世渡みほ……。
エディの仲間です。
すみません、勝手に敷地内に立ち入ってしまって……」
みほは、やや恥ずかしそうにレミに謝罪した。
「えっと。おじさんが、エディのお父さまで……お隣のエディそっくりのきれいな人が、お母さま?
ですよね」
「誰がおじさんか」
レミが思わず真顔でツッコみ、ジャンヌがクスクスと笑みをこぼす。
「悪魔がこの地上に現れたのは、マナの者と地獄とが戦争中である事が影響していると思われます。
おじ様」
「そうか……というか、お前もか」
「あ…申し訳ない、ムッシュー。移ってしまいました」
テヘッと、エディは僅かにおどけてみせる。
笑ってごまかすとはまさしくこの事である。
「…戦争…。それで、私達人間に恨みを抱いたサタンはやって参りましたのね」
「おそらく……。しかし、今回は私を誘き寄せる為にした事。
まだ頻繁に来たりはしないと思います。
ですので、どうか何も知らぬ地上の者を刺激なさらぬようお願い致します」
「そうか…では、いつも通りに暮らしていて良いのだな?
ご武運を祈る」
「助けて下さってありがとう」
「はい…。勝手に敷地内に立ち入ってしまい、申し訳ございませんでした」
エディは、優雅に胸に手を添え両親にお辞儀をした。
(どこか他人行儀で、よそよそしい…。
縁を切ったとはいえ、親子なのに…)
親子三人の振る舞いに、みほは悲しみを覚える。
今日のところは、そのお嬢さんに免じて帰るとしよう。
女性を泣かせるものではないからね」
ふっと呆れたような諦めたような笑みを浮かべると、ルシファーは立ち上がったエディに向かい、一言添えた。
「マナ一族の、最も強い武器は友情…本当だと思うよ」
その言葉と共に、ルシファーの姿が音もなく消える。
場に静寂が戻るなか、先に口を開いたのはレミだった。
「…今のは一体、何事だったのだ?
なぜ、悪魔が斯様な所に?」
みほにも理解できるようにと考慮してか、倭区域の言葉で問いかけている。
「して……。そちらの、お嬢さんは?」
「あっ、あたし?あたしは世渡みほ……。
エディの仲間です。
すみません、勝手に敷地内に立ち入ってしまって……」
みほは、やや恥ずかしそうにレミに謝罪した。
「えっと。おじさんが、エディのお父さまで……お隣のエディそっくりのきれいな人が、お母さま?
ですよね」
「誰がおじさんか」
レミが思わず真顔でツッコみ、ジャンヌがクスクスと笑みをこぼす。
「悪魔がこの地上に現れたのは、マナの者と地獄とが戦争中である事が影響していると思われます。
おじ様」
「そうか……というか、お前もか」
「あ…申し訳ない、ムッシュー。移ってしまいました」
テヘッと、エディは僅かにおどけてみせる。
笑ってごまかすとはまさしくこの事である。
「…戦争…。それで、私達人間に恨みを抱いたサタンはやって参りましたのね」
「おそらく……。しかし、今回は私を誘き寄せる為にした事。
まだ頻繁に来たりはしないと思います。
ですので、どうか何も知らぬ地上の者を刺激なさらぬようお願い致します」
「そうか…では、いつも通りに暮らしていて良いのだな?
ご武運を祈る」
「助けて下さってありがとう」
「はい…。勝手に敷地内に立ち入ってしまい、申し訳ございませんでした」
エディは、優雅に胸に手を添え両親にお辞儀をした。
(どこか他人行儀で、よそよそしい…。
縁を切ったとはいえ、親子なのに…)
親子三人の振る舞いに、みほは悲しみを覚える。