第13章 ただ、生きているだけで

「わかります。
ただ、生きている。
それだけで、存在そのものを敬遠される痛みだけは…。
どれほどの苦しみか、一生癒えぬ傷かも…」
「ならば、人間など守る必要はないではないか。
君達だって、散々傷付けられて来たのだろう?」
ルシファーは、無表情に口にした。
「誰かを守る事をやめたら、私達はただの化け物になってしまう。
それに…。サタンの生きる意味が復讐なら……、私達はその真逆です。
希望を創る為に生きている」
エディは、両手を前に掲げ光を灯す。
光は長剣となり、彼の右手に収まった。
「悪魔が、私達のせいで苦しんでいる事は重々思い知った……。
このような事を口にしてはマナ一族失格なのかも知れないが、貴方達サタンが、生きていてはいけない存在などではなかった事も…。
しかし、今日貴方のした事を赦すわけにはいかないんだ」
光の剣を隙なく構え、キッと敵を見据える。
「持てる力の全てでかかって来るがいい、ルシファーッ!!」
「…いいだろう。その言葉、後悔させてあげよう!」
――戦闘開始!
その合図を大きく示すかの如く、二人は同時に動き出した。
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