第13章 ただ、生きているだけで

「それにしても、ハラハラしますね…おでかけ中に、突然襲ってくるだなんて」
「ねえ。ひっきょくさーい」
「そんな事、戦争中ならよくあるぜ?
だから常日頃修行しとけってんだよ」
「戦争に、卑怯もらっきょうもないのである。
生き延びたもん勝ちなのである」
コルちゃんとみほに、タオとイリスェントが言った。
「なんやすさみまんなぁ……。ピアノでもひいて癒されたいわ」
「優雅にひいてる最中に大群で襲撃されたらウケるな」
「マオってばなんちゅー事言うねん!あーんピアノ!ピアノ恋しーい!
なんで神殿にはピアノないんよーっ!」
「あーもう!だまれ!
ないもんはしょーがないでしょ!!
どーしてもひきたきゃハカセの研究所行ってひいて来なさい!!」
ピアノピアノうるさいエディに、みほが怒鳴った。
なぜハカセの研究所にピアノがあるのかというと、ハカセが買ってみたはいいもののひけずじまいでほったらかしている為、ほぼエディの私物化しているのだとか。
「エディってピアノ中毒者なのかな?」
「ただの音楽好きさんです…
(1ヶ月に1回は音楽会行ってた人だしなぁ…)」
チェン、ミンウが言った。
「まあチェンさん、案外毒舌さんですのね。
したたかな人」
「やだーっ、イルカほどじゃないよ!」
「あの、さ……。誉め言葉でもないのに、なぜ超照れてんの…?」
イルカの言葉に何故か大げさなまでに謙遜するチェンに、シアンが突っ込む。
「女ってわかんねぇ…と、タオが今呟いておったぞよ。心の中で」
「てめ、バラすなよヒミコ!!」
「この程度なら良いじゃろう?」
ヒミコはニヤリと勝ち誇った笑みを浮かべる。
「タオ!君の発言(?)は、プチ男尊女卑なのである!
前言撤回すべきなのであるっ!」
「??プチ・ダンソンジョヒって…なんだ?
何語?」
まじめなイリスェントにビシッと注意されるも、当のタオは意味がわかっていない様子。
皆、面倒なのでここは流すことにした。
見事な一致団結。
「さーて、俺飯作らなきゃ飯…」
「わたし、マハラジャちゃんにごはんあげて来ます」
「我は読書でも……」
「ボク、エステレラと女神様に近況報告してくるねー!」
「お待ちになって、アダム。
私も連れて行って下さいまし」
「あ、僕も行こうかな」
「僕も」
「なんだよお前ら!!話きけよーっ!!!」
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