第13章 ただ、生きているだけで

「つらい時ごまかさんでえーの!!
次そーゆー水くさい事しよったら、しっぺもつけたるさかいな!!
おわかり?!」
「う、うう~~~っ」
ミンウは、目に涙をいっぱいに溜めながらコクコクと頷いた。
わかればよろしい、とエディはようやくミンウの頬から手を離す。
「うあ~~~ん!!」
「よしよし、ミンウ君どんまい…」
大好きなエディに怒られたショックでミンウはあゆむに泣き付く。
あゆむは、苦笑しつつよしよしとミンウの背中を撫でる。
「泣かすのはよくありませんわよ。死ねド・ラフォレ・ダンジェラード」
「カッとなってやりました。泣かせるつもりはありませんでした。
とりあえず、まだ生きたいので勘弁して下さい…」
イルカに厳しく注意され、エディは蛇に睨まれたカエルのように縮こまる。
「な、情けねぇ……。
つかあいつは殺人犯か。殺すつもりはなかったみたいな」
「イルカ最強じゃのう」
ホトとヒミコが言った。
「(でもまぁおもろいし、ちょっくらからかってやるか)
おーい。エディ!」
「なんでっか?ホト…」
「切腹しろ切腹」
「Σ(ノ゚д゚;)ノ」
「きゃはは!それいい!
せーっぷく!せーっぷく!!」
みほがケラケラ笑いながらはやし立てる。
「せえーっぷく!!せえーっぷく!!」
アダムも、彼女に便乗して手をリズム良く叩きはやし出す。
「い…痛いので嫌です……それに、詳しいやり方がわかりません」
真に受けたのか、エディは真面目な返答を返した。
「だ、だめです!僕なんかの為におなか切っちゃだめです~~~っ!
痛いです!死にます!!
ホトさんもエディさんで遊ばないでください!」
涙の止まったミンウが、本気にしたエディと腹を抱えて笑うホトを諌める。
「右を見ても左を見ても、バカばかり……。
とんでもなくバカバカしい環境だな。
バカ子孫に、バカ先祖。本当にバカらしい」
「マオ……
(バカって6回も言った…)」
タオが物言いたげな目でマオを見る。
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