第12章 終わりなき世界で…

「じゃあね!他の能力者二人を見つけたら、まっすぐ僕のところまで来てね?
道順や場所は、“方角師”がいれば大丈夫だから!」
告げると、エステレラは瞬間移動しその場から消え去って行った。
「あら。エステレラが、いなくなりました…」
「すげー…。どーゆーカラクリだ?
俺達もああいうこと、やろーと思えばできんのかな俺達も……。
――さ、行こうぜマナ?美花区域に」
「‥はい。ホト…」
「ん?」
「何があろうとも、私は永遠に貴方に添い遂げます。
この終わりなき世界で、どのような辛き運命が私達を待ち構えていようとも。
…お慕い申しております。世歩大和晃歩人様」
「…ようやく、俺達は夫婦(めおと)となれたのだな」
穏やかに微笑み、ホトはマナの手を大切そうに握る。
しっとりとした、柔らかな手だった。
「お前がいれば、何もいらない」
覚悟を決めた二人は、同じ歩調で歩き出した――――……。

「――はああぁ!!」
ホトは、跳躍するとアスデモスに向かい思いっきり刀を振りかぶる。
「――クッ!」
アスデモスは、それを鎖をピンと張り防ぐ。
魔力で出来ている為か、普通の刀の刃ではなかなか斬れない。
「…っの、野郎…!!」
ホトはいったん後ろに飛び間合いを取り、再び攻撃を開始した。
「お前達さえいなければ、俺達はこんなに苦しむハメにならなかったんだ!!
どうせ悪行三昧してたから、人間に神の敵と決めつけられたんだろうが!?」
「何もしちゃいないわよ!!
あっちが勝手にそう決めたの!!
変なこと言わないでちょうだい!!」
「嘘つけ!!子供を拐うような不埒者の言うことなど信用できるか信用!!」
「やりたくてやったんじゃないわよ!!さっきから嫌な子ね!!
あんたらこそ本当、早くいなくなればいいのに!!あんたらさえいなければ!!」
「いなくなるのはお前らだ!!」
やるかやられるかの、激しい攻防戦が繰り広げられる。
「「「ホトーッ!!!」」」
「!皆!?」
「!!」
ちょうどそこに、仲間達が駆け付けてきた。
「やっぱり、悪魔に襲われていたんだね!
遅かったから、心配して皆で探したの!」
どうやら、ホトの危機を予感し皆に伝えたのはチェンらしい。
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