第12章 終わりなき世界で…
夕刻、奉公も終わった頃。
ホトは家に帰る為、あまり人気のない道を歩いていた。
下駄をカランコロンと鳴らし、紐で結った総髪が風に揺れる。
(ふふふ……。またせんべい頂いてしまった♪
これは父上と母上とマナと4人で食おう!)
「…幸せそうだね、侍君」
「………?」
後ろから男らしき声がかかり、ホトは足を止め振り向いた。
足音もなく立っていた男は、長く緩やかな黒髪を総髪にし、貴族の纏うような立派な衣を身につけている。
だが、やけに肌が白く、不気味な瞳をしていて気味が悪い。
「だがその幸せは、いつまでも続くと思ったら大間違いだよ。
君を愛する人間達も、真の君を知れば今に手のひらを返すのだから」
「無礼な奴……!!何が言いたい!?」
ホトは、腰に差した刀に手をかける。
「君は、この世界にいてはいけない存在だという事さ!!」
男が禍々しいオーラに包まれ、背から漆黒の翼が生え耳も不気味に尖り、着ていた衣服も真っ黒な装束に変わる。
ホトは、目の前で起こった出来事に瞬きをも忘れた。
「――光栄に思うがいい!!!
この美しいルシファーによって、葬られるのだから」
「ぐあ……ッ!!!」
ルシファーの放った炎に包まれ、ホトは必死にその中から抜け出す。
「よ、妖怪………!!?」
「失礼だな。悪魔と呼んでくれないかね」
「あく、ま……?」
「そっ。ユーエスエイ区域やアムール区域なんかでは、サタンなんても呼ばれてる。
…彼らの決めた、“神の敵”」
「だ、だからと言って、何故俺を殺さなければいけない?
別に俺が、お前に危害を加えたわけでは――…」
ここまで言いかけ、ハッとホトは思考が止まる。
ハカセの言葉を、思い出したのだ。
ホトは家に帰る為、あまり人気のない道を歩いていた。
下駄をカランコロンと鳴らし、紐で結った総髪が風に揺れる。
(ふふふ……。またせんべい頂いてしまった♪
これは父上と母上とマナと4人で食おう!)
「…幸せそうだね、侍君」
「………?」
後ろから男らしき声がかかり、ホトは足を止め振り向いた。
足音もなく立っていた男は、長く緩やかな黒髪を総髪にし、貴族の纏うような立派な衣を身につけている。
だが、やけに肌が白く、不気味な瞳をしていて気味が悪い。
「だがその幸せは、いつまでも続くと思ったら大間違いだよ。
君を愛する人間達も、真の君を知れば今に手のひらを返すのだから」
「無礼な奴……!!何が言いたい!?」
ホトは、腰に差した刀に手をかける。
「君は、この世界にいてはいけない存在だという事さ!!」
男が禍々しいオーラに包まれ、背から漆黒の翼が生え耳も不気味に尖り、着ていた衣服も真っ黒な装束に変わる。
ホトは、目の前で起こった出来事に瞬きをも忘れた。
「――光栄に思うがいい!!!
この美しいルシファーによって、葬られるのだから」
「ぐあ……ッ!!!」
ルシファーの放った炎に包まれ、ホトは必死にその中から抜け出す。
「よ、妖怪………!!?」
「失礼だな。悪魔と呼んでくれないかね」
「あく、ま……?」
「そっ。ユーエスエイ区域やアムール区域なんかでは、サタンなんても呼ばれてる。
…彼らの決めた、“神の敵”」
「だ、だからと言って、何故俺を殺さなければいけない?
別に俺が、お前に危害を加えたわけでは――…」
ここまで言いかけ、ハッとホトは思考が止まる。
ハカセの言葉を、思い出したのだ。