第1章 少女の愉快な旅立ち

「ホラ、これが証拠さ!
方角師のエディオニールだよ!!」
通称エディね☆と、伝来ハカセはウィンクしてみせた。
コレって物扱いかいな!
とエディの激しいツッコミが伝来ハカセに入る。
「(え……? 
何がどーなってんの?!)」
わけわかんねーよという顔をしているみほをよそに、伝来ハカセは語り始めた。
「この世界ってさ、確か人種で区切りがあるじゃん?
美花(メイホァ)区域、倭(やまと)区域、ユーエスエイ区域、コリア区域、アムール区域、インディ区域。
言語もそれぞれちょっくら違うね」
軽い口調で語っている伝来ハカセの隣で、エディは大欠伸をしていた。
夜更かしでもしたのだろうか。
「エディにはボクから頼んで、アムール区域からこの倭区域に来てもらったんだ。
みほ、まずは残りの3人のマナ一族を探して来て?
そしたらまたここに来て」
伝来ハカセがあどけない笑顔で語り終えると、エディがニカッと親指を立ててみせる。
「ほな、そーゆーこっちゃねん!
よろしゅーに♪」
「え~~~~~~~~っ。
こんな全開関西弁のせいで美形だいなしな変な奴とぉ?」
ショックーッありえなーい!とみほは本当にショックを受けた顔になった。
「大変正直でよろしいで、みほ」
「あははっ早速なじんでるねっ♪」
一方、伝来ハカセは気ままに読みたい雑誌を選んでいた。
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