第12章 終わりなき世界で…

「さっすが“初代”の言葉。
説得力あるわねぇ」
「あの…イルカさん……。
‥その‥。もう、落ち着きました?」
「ええ、ミンウさん。もう落ち着きましたわ。
やはり、冷静さを欠いては勝てる戦いも勝てませんわよね…」
イルカは、恥ずかしそうにミンウに微笑んだ。
ミンウも、返事代わりに控えめな微笑みを返す。
「そうそう。冷静な頭で戦る時のほうが、お前は強いぜ」
言いながら、ホトは踵を返し神殿の外に出る。
「あれっ。ホトさん、どこに‥‥?」
「地上に買い出しだ!お前らは、他の奴らと修行でもしてな」
コルちゃんに返事をするなり、ホトは行ってしまった。
「そっかあ。こういう時でも、当番は回ってくるのよねぇ…」
「みほってば、そないめんどくさそうに…。
ベルフェーゴルになってまうで?」
「ちょ、ちょっとお!!敵と一緒にしないでよ!?
やだ~サイテー!!」
「最悪ですわあのブサメン」
「みほちゃんかわいそうです‥‥」
余計なことを言ったせいで、エディは女性陣から総攻撃をくらうはめになってしまった。
「…何故あのたった一言でこのようなフルボッコリンチにあわねばならないのだろうか。まぁ私が悪いのですが」
「ああっ、エディさんが大変です~!
関西弁じゃなくなってる…無表情になってる…!」
エディが壊れ、ミンウがあわあわとした。
「何をバグってますの?ブサメン・ド・ラフォレ・ダンジェラード」
「イルカさん、もうダメージを与えないであげてくださいぃ~っ!!」
「なんでもありません。
ほなもう修行に参りましょう」
「混ざってる、混ざってる」
みほが苦笑いを浮かべた。
「ごめんなさい、エディさん‥‥」
コルちゃんは泣きそうな顔で謝った。
「ええよコルちゃん。気にせんといて。
次ベルフェーゴルに出会ったら一発どつくだけやさかい」
「そ、それは八つ当たりじゃあ‥‥。ねえ、マハラジャちゃん…」

その頃、地獄では。
「――へっくしっ!!うう‥はなみず‥‥。
…あいやぁ~…。誰がおいらの噂しったながの(してるのかな)…?
こんげだ(こんな)時に、暇だ奴だのぉ~」
噂の張本人が、ひとり鼻をかんでいた。
ひとりきりなので、ひとりごとも遠慮なく方言丸出しで。
「今なんて言ってたんだい?ベルフェーゴル君」
「!!!!」
…いい田舎者は油断大敵。
「誰がええ田舎者や!!死ねっちゃ!!」
「あの~…?ベルフェーゴル君…?」
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