第12章 終わりなき世界で…

ヘルデウスの宣戦布告から一週間後。
天上界にも地上にも悪魔が現れる事のない、不思議なくらい静かな日々が続いていた。
解けない緊張感に、3代目のマナ一族は落ち着かない一週間を過ごしたという。

「ねぇ‥‥。妙じゃない?
戦いは、もう始まっているんでしょう?」
「本当に……。どういうつもりなんでしょう。
悪魔側は‥‥」
みほとミンウが、怪訝な顔で他の3代目の仲間達に言う。
「よなぁ。いつ来るかわからへんのに、こうも何事もあらへんとなぁ‥‥。
生きた心地せえへんわぁ」
「ハッキリしやがれと言いたくなりますわよね。
もし、今にもこの天上界や地上…最悪の場合チョルくんの身に何かあったらと思うと……ああもう!むずがゆいったらありゃしねえっ!!どうしてえんだよ!
戦うなら戦えやあの【ピーーー】野郎共!!」
(い、イルカが聞いた事もないような汚い言葉を使った……。
この子、本当にお姫様だったのかしら?経歴詐称じゃあ…)
みほは心の中でツッコんだ。
「い、イルカさん。落ち着いて……。
床だんだんしたら、ヒール折れちゃいます…。
マハラジャちゃんも、そう言っている気がします」
コルちゃんが、首に巻いたマハラジャちゃんの頭を撫でながらイルカを諭す。
その隣では、ミンウとエディの男性陣が怯えている。
「おいおい、お前ら。緊張すんのはわかるがちったあ冷静になれよ冷静に」
そんな5人を、ホトがたしなめた。
「開戦したっつっても、1日中気を張り詰めてるわけじゃねえ1日中。
サタンも俺らも、じっくりと策を練り相手を討つ。過去の戦争時も、こんな感じだったんだ。
だから、いつでもバッチリ戦えるよう準備しとけばそれでいい」
「はあ~…。なるほどなあ」
エディが、納得したようにウンウン頷いた。
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