第10章 統べる者の想い、仕える者の葛藤

「そっか…。ほら、ヒミコももっと食え食え。うまいもん食えば元気出るぞ!」
「そうじゃな。では、もう少し頂くとしようか」
「チョルくんも、地獄で美味しい物食べさせてもらってるとよいですわね‥。
いえ、意地でも食べさせます。もし臭い飯なぞ食べさせてようものなら…地獄に乗り込み力ずくで正させますわ」
「イルカ、怖~っ!!ふ、震えが止まらないよぉっ」
チェンは両の二の腕を抱きしめブルッと身震いする。
「わかります。やりかねませんもんね…」
「あはは~。姉は強しです」
「こんなブラックジョークで笑えるミンウを尊敬」
コルちゃん、ミンウ、ホトが言った。
「あら‥‥、わたくし、本気でしてよ?」
(イルカって、女神様やエステレラより強そう……)
(否定はしないのである)
(というか、彼女よりStrongな人ってこの世にいるのかなぁ?)
あゆむ、イリスェント、アダムが目と目で会話した。
「忍ぶれど~表にいでにけり~姉が思ひは~~色には黒く~強くありけり~~~」
突然、マナがおっとりと歌らしきものを詠み出した。
その場にいる全員の頭上に、クエスチョンマークが浮かぶ。
「……?なんだ?それ……??マナ……」
「?何って、ホト……。
和歌ではありませぬか」
「「「「それは和歌じゃない!!!
ただの感想だ!!!!」」」」
驚愕の事態に、思わずホト、あゆむ、みほ、ヒミコのジャパニーズ達が総ツッコミを入れる。
「それは、和歌っぽくした感想よ!季語もなにもない文字を制限した和風の感想よ!」
「そんな…。やはり、そうでしょうか…?」
「てか誰の思いが黒いですと?ん?ご先祖様(^言^)」
「す、すみません。イルカ。つい……!」
「……こんなお前でも、愛してるぜ。マナ」
気のせいか、マナの目にホトの顔は青く見えたという。
「和の心って難しいなぁ」
「いや……アレは、ジャパニーズでない我でもおかしいとわかる……」
エディ、マオが言った。
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