第10章 統べる者の想い、仕える者の葛藤
「良かったあ…がんばって作ったかいがありましたね、エディさん!うっれし~ですっ」
「せやな、ミンウ!うっれし~わぁ!!」
「あ、これ美味しい」
「そうですね」
「美味じゃのう」
ミンウとエディがハイに喜んでいる間にも、あゆむとマナとヒミコはもくもくとマイペースに箸を動かしている。
「あ、そうそう。ボク今晩はオールナイトするけど、皆は気にしないで先に寝ててね」
「え…アダムくん、ずっと起きてるの?
ボク達ばっかり眠ってて大丈夫なの?」
徹夜宣言するアダムをシアンが心配した。
「I'm okay☆」
それに対しアダムは母国語で大丈夫だと答える。
「何をするかは知らぬが、無理を感じたらきちんと休むのだぞ」
「アダムがオールナイトするなんて、珍しいわねー。ちゃんと起きれるの?すぐ寝ちゃったりして」
「むぅ~~っ。子供扱いしないで!みほちゃん!」
アダムは頬を膨らませてすねる。
(……………)
皆が騒ぐが、ヒミコは何も言わず見守っていた。
アダムの言葉に秘められた真意を感じ取っているからだ。
決して今この場で明かしてはならない、隠すべき想いを。
(そうか。アダムは、ひとりになりたいのだな…。いかに幼いとは言え、誰にも見せられぬ顔が、あやつにも‥。
…心を読めるなど、まるで良い事はないのう。
生まれつきとはいえ、厄介な能力じゃ)
視えて来るモノは、喜びの記憶ばかりではない。
悲しみ、怒り…過去への想い。
(エステレラのあの言葉がなければ……わらわは、人の全てを受け止めるなど、できたのだろうか?)
―――大丈夫だよ。大勢の人々の痛みを聞くのは苦しいけど……、ヒミコは、他人(ひと)の痛みをわかってあげられる人だから”
(あの言葉に、だいぶ支えられた。
しかし…それでも……。
この能力は、いらぬ。
あのような者共と同じ能力など……あの、黒き翼を携えた悪党共と同じ能力など…
……仲間達が隠している想いを知る能力など……)
「ヒミコ、どうした?なんか元気ねぇぞ…?」
「あ、ああ‥。なんでもない。心配をかけてすまぬな」
タオに声をかけられ、ヒミコはハッと我に帰った。
彼があまり心配そうに見つめるもので、ヒミコは若干慌てて笑顔を見せた。
「せやな、ミンウ!うっれし~わぁ!!」
「あ、これ美味しい」
「そうですね」
「美味じゃのう」
ミンウとエディがハイに喜んでいる間にも、あゆむとマナとヒミコはもくもくとマイペースに箸を動かしている。
「あ、そうそう。ボク今晩はオールナイトするけど、皆は気にしないで先に寝ててね」
「え…アダムくん、ずっと起きてるの?
ボク達ばっかり眠ってて大丈夫なの?」
徹夜宣言するアダムをシアンが心配した。
「I'm okay☆」
それに対しアダムは母国語で大丈夫だと答える。
「何をするかは知らぬが、無理を感じたらきちんと休むのだぞ」
「アダムがオールナイトするなんて、珍しいわねー。ちゃんと起きれるの?すぐ寝ちゃったりして」
「むぅ~~っ。子供扱いしないで!みほちゃん!」
アダムは頬を膨らませてすねる。
(……………)
皆が騒ぐが、ヒミコは何も言わず見守っていた。
アダムの言葉に秘められた真意を感じ取っているからだ。
決して今この場で明かしてはならない、隠すべき想いを。
(そうか。アダムは、ひとりになりたいのだな…。いかに幼いとは言え、誰にも見せられぬ顔が、あやつにも‥。
…心を読めるなど、まるで良い事はないのう。
生まれつきとはいえ、厄介な能力じゃ)
視えて来るモノは、喜びの記憶ばかりではない。
悲しみ、怒り…過去への想い。
(エステレラのあの言葉がなければ……わらわは、人の全てを受け止めるなど、できたのだろうか?)
―――大丈夫だよ。大勢の人々の痛みを聞くのは苦しいけど……、ヒミコは、他人(ひと)の痛みをわかってあげられる人だから”
(あの言葉に、だいぶ支えられた。
しかし…それでも……。
この能力は、いらぬ。
あのような者共と同じ能力など……あの、黒き翼を携えた悪党共と同じ能力など…
……仲間達が隠している想いを知る能力など……)
「ヒミコ、どうした?なんか元気ねぇぞ…?」
「あ、ああ‥。なんでもない。心配をかけてすまぬな」
タオに声をかけられ、ヒミコはハッと我に帰った。
彼があまり心配そうに見つめるもので、ヒミコは若干慌てて笑顔を見せた。