今はまだ……
今日もいつもの朝がやって来た。
生徒達はそれぞれに魔法学校の門をくぐる。
「よぉ、オリーブ」
「おはよう、カシス」
カシスとオリーブが挨拶を交わした。
「いい天気だな」
「そうね……」
「おはよー!カシス!」
二人の後ろから声をかける者がいた。フィーノだ。
ニコニコと笑顔をカシスにのみ向けている。
自分はあえて無視されている事がオリーブにはフィーノの心を伝って読めた。
「おー、おはよ」
カシスは挨拶を返した。
「いつものガールハントもいいけど、遅刻しないようにね!今日はなんだか女の趣味悪いんだね~」
「お前の中の俺の印象はそんなんか!!」
あははっと笑いながら、フィーノはひらひら手を振って学校の中へ入っていった。
オリーブは黙ってうつむいている。
「……ったく。朝っぱらから。それにしても相変わらず嫌われてるな、オリーブ。お前あいつに何かしたっけ?いつのまにかあんな態度とられてるけど」
「何もしてないけど……心を読んでるわ」
「それだけ?」
「それが一番ダメなの……」
オリーブは切なそうに言った。
「フィーノには、誰にも知られたくない気持ちがあるの。誰にも話せない苦しくてたまらない過去があるのよ。それを私は勝手に覗いてるんだから、嫌われても仕方ないわ……。それでなくても、普段から私に心を読まれてるのをすごく嫌がって腹を立ててるみたい」
「なるほどねぇ……」
カシスは、オリーブの頭をポンポンと撫でた。
「オリーブは、フィーノの事嫌いか?」
「嫌いでは、ない……けど……。嫌われてるのは、悲しいわ……。胸にためてかかえこんでるモノがフィーノをああさせてるんだもの……どうしてかな。皆いるのに、フィーノは自分がひとりぼっちだと思ってるの」
「そっか」
カシスはそれだけ返した。
「そのうち、フィーノに伝わるといいな。お前の気持ち」
やがて臨海学校の冒険を経て、オリーブとフィーノはようやく友達となるが、それはまだ先の話――……。
生徒達はそれぞれに魔法学校の門をくぐる。
「よぉ、オリーブ」
「おはよう、カシス」
カシスとオリーブが挨拶を交わした。
「いい天気だな」
「そうね……」
「おはよー!カシス!」
二人の後ろから声をかける者がいた。フィーノだ。
ニコニコと笑顔をカシスにのみ向けている。
自分はあえて無視されている事がオリーブにはフィーノの心を伝って読めた。
「おー、おはよ」
カシスは挨拶を返した。
「いつものガールハントもいいけど、遅刻しないようにね!今日はなんだか女の趣味悪いんだね~」
「お前の中の俺の印象はそんなんか!!」
あははっと笑いながら、フィーノはひらひら手を振って学校の中へ入っていった。
オリーブは黙ってうつむいている。
「……ったく。朝っぱらから。それにしても相変わらず嫌われてるな、オリーブ。お前あいつに何かしたっけ?いつのまにかあんな態度とられてるけど」
「何もしてないけど……心を読んでるわ」
「それだけ?」
「それが一番ダメなの……」
オリーブは切なそうに言った。
「フィーノには、誰にも知られたくない気持ちがあるの。誰にも話せない苦しくてたまらない過去があるのよ。それを私は勝手に覗いてるんだから、嫌われても仕方ないわ……。それでなくても、普段から私に心を読まれてるのをすごく嫌がって腹を立ててるみたい」
「なるほどねぇ……」
カシスは、オリーブの頭をポンポンと撫でた。
「オリーブは、フィーノの事嫌いか?」
「嫌いでは、ない……けど……。嫌われてるのは、悲しいわ……。胸にためてかかえこんでるモノがフィーノをああさせてるんだもの……どうしてかな。皆いるのに、フィーノは自分がひとりぼっちだと思ってるの」
「そっか」
カシスはそれだけ返した。
「そのうち、フィーノに伝わるといいな。お前の気持ち」
やがて臨海学校の冒険を経て、オリーブとフィーノはようやく友達となるが、それはまだ先の話――……。
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