第1章 真の剣

兵士に連れられ、四人は玉座の間に通された。

兵士が事情を説明すると、王様は四人に尋ねた。

「旅の者よ、そなたらが城下町に現れたモンスターを倒したというのはまことか…?」

「はい。そうです。」

ローラがそれに答えた。

「そうか…。戦士たちよ、そなたらに頼みがある…。我が王女を助け出してはくれまいか?
この国のナイトであったガーランドがセーラ姫をさらい、このコーネリアの国王の座を要求しておる…。
奴は北にあるカオスの神殿に潜んでいる。
我々も救いだすため手を尽くしたのだが…奴は、この国一番の剣の使い手…並みの者では歯が立たぬのじゃ。」

「マジで?町にモンスターが侵入するご時世だぜ?お姫様さらいなんかやってる場合かよ。」

(へえ。あのスリや盗みが当たり前のウェッ君が、意外とまともな事を言うものだ。)

真面目な意見を口にするウェッジを見て、ククロは心の中で呟いた。

「任せて下さい、王様。王女様は必ず我々が助け出します。」

「がんばるです~。」

ローラ、ルカが言った。

「おおっ!なんと頼もしい返事…!頼んだぞ!」

「任せとけ!オレ達にかかりゃナイトのひとりやふたり楽勝さ!」

ウェッジが胸をはって言うと、王様は幾分か安心したようだった。




四人はカオスの神殿に到着すると、まず真ん中の部屋の扉を開けた。

そこには桃色の髪の美しい女性が倒れていて、その前には鎧の男が。
兜で隠れていて、顔はわからない。

「王女の命と引き換えにコーネリアは、ついに私の物となる…。」

「あんた、そんな物騒なこと考えてたわけ?」

ウェッジの軽蔑した声に振り向くと、男は四人に気づいた。

「何者だ、貴様たち…!?」

「国王に頼まれて、セーラ姫を連れ戻しに来た。」

ククロが答えた。

「そうか…、国王の手先か…。だが、私が誰だかわかっているのか…?
ナイトの中のナイトといわれたこのガーランドの剣にかなうと思ってか!」

「剣なら誰にも負けない!」

襲いかかってきたガーランドの剣を、ローラは素早く自身の剣で受け止め防いだ。

刃と刃の激しくぶつかる音がした。


(重い剣だが…、耐えられないほどじゃない!)


「はあっ!!!」

「?!」

ローラに剣を弾き飛ばされ、ガーランドは目を見開いた。

「私の剣を防いだのみならず…、弾き返しただと?!」

「ナイトだかなんだか知らないが、悪者の振るう剣に真の強さが眠ってるはずがない。」

ローラは冷静に言った。

「今だトディ!!」

「ファイア!!」

放たれた炎は鎧の中に入り、ガーランドを焼き付くす!

「ぐあああああああ!!!!!!」

やがて、ガーランドは倒れた。
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