第11章 温泉Panic!

「温泉?いいね。」

「オレ入りたい!!」

ローラとウェッジが目を輝かせた。

「ぼくも入りたいです~。」

ルカもニコニコと賛同した。

「じゃあ、皆で入りに行くか?」

「「「やったー!」」」



飛空艇をその温泉の近くに停めると、四人は温泉に気持ちよく浸かった。

温泉は天然の温かいお湯が川の方から流れて来ており、温かい部分が岩で囲まれている。

「生き返るなぁ…。ルーラさんと会話したストレスも吹っ飛ぶね。」

ローラが気持ち良さそうに言った。

さりげなくルーラをディスっているのは気のせいではないだろう。

「本当に生き返るな。天国だ。」

ククロも気持ち良さそうだ。

「いっい湯っだっなー♪」

ウェッジの気分は最高にいいようだ。

「ねー。気持ちいいです~。」

ルカもニコニコしている。

「なんかこうして四人で入浴しているとさ、思い出すね。初めて四人で大きなお風呂がある宿屋に泊まった時の事…。」

「ローラ、ルカのこと女の子と思い込んでて『ルカは小さいから、私達(男)といっしょでいいよね?』って皆で風呂に入る前言ってたよな~」

ウェッジがからかうように言った。

「ウェッ君だって、ルカの事を一人称がぼくの女の子と勘違いしていただろう。僕もそうだったが。」

ククロがクールに言った。

「ぼく、初対面で女の子と思われてたなんてびっくりでした~。」

「だって、可愛い顔立ちや服装してるし、髪の毛も長いし……。いっしょにお風呂に入るまで女の子とばかり思ってたよ。」

ローラはクスクス笑いながら言った。

「ほんとびっくりしたよなー。ネコミミのついたローブ着てる野郎もこの世にいるんだなぁ…。幼児だから可愛いけどさ。」

ウェッジも笑いながら言った。

「ルカが女の子に見えたのは、ネコミミ効果か……?」

ククロは真剣に考え込む。

ルカはおかしそうにクスクス笑っている。

「あのネコミミさんのローブ、パパとママが買ってくれた物だからお気に入りなんです~。」

「へぇー!そりゃいいな!……ん?」

ふとウェッジが服をかけておいた岩のほうを見ると、何故か服がない。

ウェッジはびっくりしてキョロキョロあたりを見渡したら、四人の服を持って走り去ろうとしている魔物の姿が!

「あーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!!!!!!!!!」

ウェッジは叫びながらザバッと立ち上がった。

「どーろーぼーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

そして、腰にタオルを巻き付けて結んだ。

「急いで追いかけて、取り返すぞ!」

ククロも急いでタオルを腰に巻き付けた。

「ぼくのネコミミさんのローブ~~」

泣きそうになっているルカの体に胸からぐるっとタオルを巻き付け、自身の腰にもタオルを急いで巻き付けてローラはルカをおんぶした。

「よし!走るぞ!!」

ローラの声を合図に、三人いっせいにダッシュで魔物を追いかけ出した。
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