第10章 とある親子の物語
ククロがアルテア族の子どもを拾ってきたという噂は、たちまちミシディアの村中に広まった。
しかし、当のローラはふさぎこんで家に閉じ籠っていた。
双子の弟と会えないのが寂しくて仕方ないらしい。
ククロは、このままではいけない、ローラには友達が必要だと思い、ローラと同じ年齢のミシディア族の少女を家に呼んだ。
「あなたがローラちゃん?」
ミシディア族の少女は、レースやリボンのついたローブの裾を持ちおしとやかにお辞儀した。
「わたし、族長の娘のシルドレアよ。皆シルディって呼んでるわ。」
「シルディ…?」
「お友だちになりましょう。いっしょに遊ぼ?」
「うん!よろしくねシルディ!」
それからふたりは、毎日いっしょに遊んだ。
サンダー系の魔法が得意なシルドレアは、ローラにそれを教え、ローラもサンダーやサンダラが使えるようになった。
アルテア族でありながら弱冠4歳にしてサンダラを習得できたローラは、将来有望な魔道士になるとミシディア族中に期待された。
もちろん育ての親のククロも鼻が高かった。
ローラは笑顔で元気いっぱいにシルドレアと毎日遊んだ。
夕食の席で「僕、おっきくなったらシルディとけっこんする!」と言い出してククロやククロの母親を和ませるほどに明るくなった。
毎日が幸せだった。
「ローラ、5歳の誕生日おめでとう。」
「おめでとう、ローラ。私の焼いたケーキいっぱい食べてね。」
「ありがとう、トディ、マディ!」
大きなケーキやチキンを前に、ローラはニコニコ顔だ。
そう。今日はローラの誕生日なのだ。
(今日は僕のお誕生日だけど、ギードのお誕生日でもあるんだよね…。ギードもケーキやごちそう食べてるかな?)
そんな事をローラが考えた時だった。
家にボウッと火が付いたのは。
「!?」
ローラはびっくりして固まった。
「これはなんなの?!」
ククロの母親も、怖くて動けずにいる。
「放火か?!」
ローラの手を引いてククロが家の出口のドアを開けると、その目に飛び込んで来たのは地獄だった。
しかし、当のローラはふさぎこんで家に閉じ籠っていた。
双子の弟と会えないのが寂しくて仕方ないらしい。
ククロは、このままではいけない、ローラには友達が必要だと思い、ローラと同じ年齢のミシディア族の少女を家に呼んだ。
「あなたがローラちゃん?」
ミシディア族の少女は、レースやリボンのついたローブの裾を持ちおしとやかにお辞儀した。
「わたし、族長の娘のシルドレアよ。皆シルディって呼んでるわ。」
「シルディ…?」
「お友だちになりましょう。いっしょに遊ぼ?」
「うん!よろしくねシルディ!」
それからふたりは、毎日いっしょに遊んだ。
サンダー系の魔法が得意なシルドレアは、ローラにそれを教え、ローラもサンダーやサンダラが使えるようになった。
アルテア族でありながら弱冠4歳にしてサンダラを習得できたローラは、将来有望な魔道士になるとミシディア族中に期待された。
もちろん育ての親のククロも鼻が高かった。
ローラは笑顔で元気いっぱいにシルドレアと毎日遊んだ。
夕食の席で「僕、おっきくなったらシルディとけっこんする!」と言い出してククロやククロの母親を和ませるほどに明るくなった。
毎日が幸せだった。
「ローラ、5歳の誕生日おめでとう。」
「おめでとう、ローラ。私の焼いたケーキいっぱい食べてね。」
「ありがとう、トディ、マディ!」
大きなケーキやチキンを前に、ローラはニコニコ顔だ。
そう。今日はローラの誕生日なのだ。
(今日は僕のお誕生日だけど、ギードのお誕生日でもあるんだよね…。ギードもケーキやごちそう食べてるかな?)
そんな事をローラが考えた時だった。
家にボウッと火が付いたのは。
「!?」
ローラはびっくりして固まった。
「これはなんなの?!」
ククロの母親も、怖くて動けずにいる。
「放火か?!」
ローラの手を引いてククロが家の出口のドアを開けると、その目に飛び込んで来たのは地獄だった。