「船みたいな形をしてて、空を飛んで移動する乗り物さ。あれがあれば、旅も楽になるんだけどね…。」

かといって、ルーラに直接頼むのは気が引ける。

ローラは困ったように笑った。

「ところで、ルーラって誰だっけ？」

ウェッジはルーラの名前をすっかり忘れていたようだ。

「クソファザーですよ。クソファザー。」

ギード神父がムスッと言った。

「ああ～！クソファザーね！思い出した！」

どうやらルーラは、ウェッジの中ではクソファザーとしてしか認識されてなかった模様。

そんな会話をしている時、外からヒュンヒュンという機械音が一同の耳に入った。

「なんだなんだ？なんの音だ？」

「お外から聞こえるです～」

ウェッジとルカが窓の外を見てみると、そこには大きなプロペラのついた船のような乗り物から降りてくるルーラがいた。

「おお～！ダイナミック！で、あれ誰だっけ？」

「ルーラさんですよ、ウェッジさん。」

「あー、クソファザーね。」

どうにもウェッジの脳内では、ルーラはクソファザーとしてしか認識されていないようだ。

「んげ。クソファザー来たんですか？」

「少々うっとうしいね……。」

ギード神父とローラが、双子そろって苦い顔をした。

さすが双子と言うべきか、二人はまったく同じ顔をしている。

(瓜二つだな…。)

ククロは心で呟いた。

そうこうしているうちに、クソファザーもといルーラは教会の中に入り、一同のもとまでやって来た。

「やあ。」

ルーラはニコニコと挨拶した。

「何用だ、クソ野郎。」

それに対しギード神父はぎろりと睨み付けた。