第4章 消えゆく運命でも

その時、ルカは直感した。

この三人はーーー……、

「あの……。光の戦士ですか?」

ルカの質問に、三人ともきょとんとした。

「まあ、確かに戦いの旅はしてるけど…。光の戦士なんて、そんな難しい事よく知ってるね。さっきのレビテトも、ポケットの中身だけ浮かせるなんて素人じゃ…と言うか大人の白魔道士でさえできないし。」

赤い装束の青年が答えた。

「オレはただの盗賊だよ。どこが光の戦士に見えんの?」

少年がぶっきらぼうに言った。

「ぼくは……光の戦士です。」

ルカは小さな声でうつむきながら言った。

三人とも固まった。こんな小さな子供が、世界を救う光の戦士?!

「あなたたちの助けが必要なんです…。きっとあなたたちも、世界を救うだけの強さと精神力があるです。力を貸して下さいです。」

「…いいだろう。どうせ、フラフラとこの赤いお兄さんと宛てもなくさまよっていたところだ。世界を救う道を探そうか。君みたいな小さな子が言うには重い訳ありそうなセリフだからな。」

ミシディア族の男性が言った。

「泥棒のガキも、財布をスッた罰として僕らの旅に付き合うように。」

「え~っ?!オレ、光の戦士なんかじゃねーよ?!」

「おっと。言い逃れはさせないよ。自警団につきだされないだけありがたく思うんだね。私はローラ。赤魔道士だ。君は?」

「…ウェッジ。」

少年ーーーウェッジはぶすっと名乗った。

「僕は黒魔道士のククロ……君はなんていうんだ?お名前言えるか?」

「ルカです…。白魔道士です。」

ルカは小さな声で名乗った。

「よろしくお願いします……。ぼくは、世界を救わなきゃいけないんです。」

そして、ぺこりと頭を下げた。

こうして、四人の光の戦士は出会った…。






「……カ!ルカ!!」

ウェッジに揺すられ、ルカはハッと目を覚ました。

どうやら夢を見ていたようだ。

「朝飯できたぜ?早く起きろよ?」

「なんだか、長い夢を見ていた気がするです……。」

上体を起こしながら、ぼんやりとルカは言った。

「しかし、ルカが寝坊なんて珍しいな。ウェッ君ならまだしも。」

「うっせーよ顔面真っ黒男!!黒いのは顔だけにしとけよな腹もかよ!!」

「まあまあ、ウェッ君…。」

ククロの発言に対し憤るウェッジを、ローラがなだめた。

「温かいスープがあるよ。ゆっくり身支度をしておいで。」

優しくルカの頭を撫でた後、ククロやウェッジと共にローラはテントから出ていった。

自分は光の戦士…。一人では荷が重い。

でも、仲間がいる。

ルカはうつむいていた顔を上げ、身支度を始めた。
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