第4章 消えゆく運命でも

夜営するローラにおやすみの挨拶を告げテントの中に潜った後、ルカは眠りについた。

そして夢を見た。

そう遠くない過去の夢を。




とある町に、ミシディア族同様に魔法に秀でた民族が住んでいた。

その民族の名は、プレシャス族。

プレシャス族の町に、ルカもまた住んでいた。

魔法に秀でたプレシャス族の中でも特に才能に恵まれているルカは、両親も舌を巻く思いで長老のもとに預けられ修行の日々を送っていた。

そんなある日の事だった。

預言者ルカーンの予言が降りたのは。


『この世暗黒に染まりし時、四人の光の戦士現れん…』


「光の戦士、かぁ…。」

ルカがポツリと呟いた。

「うむ。確かにこの世は魔物がはびこり暗黒に染められている。いつの日か、この世界を救ってくれる四人の戦士が現れるのだろうな。ルカ。」

それに対し、年老いたプレシャス族の老人、長老が言った。

「世界が平和になったら魔物さんがいなくなるですか?」

「そうだ。」

「魔物さんだって、命があるのに?」

このルカの言葉を聞いて、この子は本当に優しい子なんだなと長老は感じた。

「お前は優しいいい子だな。ルカ。でもな、魔物は現に人を襲っておる。退治されないといけないのだ。」

「………。」

長老の台詞に、ルカはうつむいてしまった。

その時だった!
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