第3章 優しさと決意

「サンダラ!!」

ククロが唱えると、激しい雷が魔物めがけて走った。

すると、見えない壁により雷はククロ達の方へと跳ね返って来た。

「?!」

これには、さすがのククロも驚いた。

「バサンダ!!」

ルカが唱えた呪文により、雷はバリアに防がれる。

「これは、魔物さんにリフレクがかかっているようですね……。」

ルカはごくりと唾を飲んだ。

「それじゃあ、魔法攻撃は一切できない…!」

ローラが言った。

「ディスペルは効かないのか?!」

ククロが焦った口調で言った。

「ダメです!跳ね返されてしまうです!」

「くっ…!」

これでは手も足も出せない。

その間にも、魔物は魔法を連発して唱えて来る。

四人はそれをよけるので精一杯だ。

「ミシディア族は魔法しか能がない!これだからアルテア族なんかに滅ぼされるんだ。はははは!無力だなぁ!!」

魔物のこの言葉は、ローラを怒らせた。

「五月蝿いよ。いい加減その口を閉じてくれないかい。」

ローラの持つ剣の刃が光を纏う。

その刃は魔物を確実に斬った。

「何をする?!…?!!声が!!……!」

「効くかどうか、一か八かの賭けだったけど…身体に直接魔法を叩き込むこれは弾き返せなかったようだね。どうだい?剣の刃に魔力を込めて放つ秘技、『魔法剣』を味わう気分は。」

「サイレス剣ですね!」

「おおっ!」

ルカとウェッジが感嘆の声をあげた。
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