第2章 再会と…

「ローラ君も、大きくなったね。覚えてるかい?」

「今さら父親面しないで頂けますか?ルーラ・トット・ディーンさん。」

ニコニコ顔の実父ーーールーラを、ローラは冷ややかに睨み付けた。

「おや。酷いね。」

「申し訳ないが、貴方を父親とは思っていない。私にとっての父は、ククロ・ココ・ジステイラ、トディだけだ。貴方は私を忘れて森に置き去りにしたけれど、トディは私を忘れた事なんて一瞬たりともなかった。」

ローラは冷たい声でこれだけを言ってのけた。

ククロは、顔が黒いのでわかりづらいが照れた顔を帽子を深く被って隠した。

ルーラは困ったように笑った。

「参ったね。ここまで嫌われてしまっていたとは…。今日は退散するとしようかな。またね、ローラ君、ギード君。」

そしてルーラは踵を返し立ち去って行った。

ギード神父は、不愉快そうに「ふんっ!」と呟いた。

「あいつにも、雷を落としてやれば良かったですかね…。今さらローラに父親面しやがって、腹の立つ。」

「気持ちだけで嬉しいよ、ギード。」

ローラの表情は穏やかなものに戻っている。

「それより池のカメを見せてくれよ、マイブラザー?」

「あはは。真似しないで下さいよ。さあ皆さん、どうぞ中へ。」

ギード神父はクスクスと笑いながら四人を中へ通した。

あんなのの事は忘れよう。トディだけが私を守ってくれた父なのだから。

そう心で呟くローラであった。
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