第2章 再会と…
「わ~!泳いでる泳いでる!」
「可愛いです~。」
教会の裏庭。
池でスイスイ泳ぐカメ達を見て、お子様ふたりは目をキラキラさせている。
「可愛いでしょう?私がたんせいこめて世話してるんですよ。」
「ギード昔からカメ好きだったけど、今でもカメが好きなんだね。」
「そうですよマイブラザー。私のカメ愛は一生揺らぎません。」
「はは……。」
ローラはクスクスと笑った。
「…ギード神父。これからも、たまにはこの教会に立ち寄ってもいいか?」
ローラが幸せそうにしているので、ククロはそれが嬉しくてこう尋ねた。
もちろん、ギード神父は首を縦に振った。
「ありがとう、トディ、ギード。」
ローラは嬉しくて柔らかい微笑みを浮かべた。
その時だった。
教会の外から、建物を破壊するような大きな物音とたくさんの悲鳴が聞こえてきたのは。
「オイ、まさか、これ……。またこのパターン?」
ウェッジが苦い顔をした。
「そうですね。また町の中に魔物が入り込んで暴れてるみたいですね…。」
ルカが手に持っていたカメを池に戻しながら言った。
「仕方がないが、また僕達で…」
ククロが言い終わる前に、ギード神父は走り出していた。
「ギード?!」
四人が彼を追いかけると、外では案の定たくさんの魔物が暴れていた。
四人が武器を構える、その直後。
「クソモンスター共めが!!偉大なる神に逆らうド腐れ外道共ッ!地獄に落ちろ!!」
ギード神父が高笑いしながらこう叫んだ事に、四人全員硬直した。
なんたる口の悪さ。なんたる物騒さ。
「ははははははは!!!裁きの雷(いかずち)をくらうがいい!!」
ギード神父は高笑いしながら、魔物達に落雷を落としてゆく。
四人があっけにとられているうちに、魔物達は全滅した。
「おお…!あっという間に魔物が全滅した!」
「ありがとうございます!神父様!」
町の人々に感謝され、ギード神父はニコニコとしている。
「いえいえ、邪悪な存在は排除しなくては。相手が化け物なら、神もお許し下さるでしょう。さっ、皆さん、もう1度カメでも見にーーー…」
「さすがだね、ギード君。」
現れたひとりの男に、一気にギード神父の表情は険しくなり、ローラの表情も不愉快なものになった。
その男は羽根の付いた茶色の帽子を被っており、銀髪緑目でギード神父とローラにそっくりな顔をしている。
彼はーーーー……、
「テメェ!!何しにここへ来やがった!!クソファザー!!クソはクソらしく肥溜めにでも帰りやがれこのクソ野郎が!!」
そう。ギード神父とローラの実父である。
ギード神父の暴言に、クソ呼ばわりされた実父は苦笑いした。
「別に、ギード君の顔を見に来ただけだよ。」
「は?うっぜぇ。」
ギード神父はぎろりと実父を睨んだ。
どうやらギード神父は、実父を前にすると言葉づかいが悪くなるようだ。