Vol. 2 ヤキモチだったら嬉しい。 ・4

  • レン

    ……

  • レン

    (やっぱりなんか、妬いてんじゃねーか…?)

  • こっそり探るように見据える俺には気付かない様子で、アイリは不貞腐れたようにカフェオレを飲み干すと、

  • タン!…とテーブルにマグカップを叩き付けるように置いてから、にっこりと微笑んだ。

  • アイリ

    合コン、楽しんでねー。

  • レン

    …、

  • アイリ

    ごちそうさまっ。

  • レン

    …おう。

  • アイリ

    ……

  • レン

    ……、

  • アイリ

    ……

  • アイリ

    …、心配だから…、

  • レン

    え?

  • アイリ

    ———りして、待ってる…。

  • そっと呟いた後、ぴょんと軽く跳ねるようにして椅子から離れる。

  • レン

    …、

  • レン

    (『待ってる』…?)

  • レン

    (今、なんて言った?)

  • はっきりと聞き取れなかったことがもどかしく、俺は反問するようにアイリを見つめた。

  • レン

    悪い、アイリ

  • レン

    なんて言ったか聞こえなかったから、もう一度…、

  • アイリ

    なんでもない。

  • アイリ

    独り言だから気にしなくていいよ。

  • 向き直ることなく切り返した桜色の唇は、俺にそれ以上の声を届けることはなかった。

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