ははは、

でもなかなか似合ってて可愛いぜ、うん。

……、

あのさ、

さっき、おまえの家に電話入れといたから…、

ちょっと飲みすぎて、今日は俺のところに泊まるから、

帰らなくても心配ないって。

…なあ、ユヅキ。

今日は何かあったのか？

＜何もない＞とは言わないんだな。

とても大丈夫には見えねえよ。

それはいいって。

唯一無二の幼馴染なんだからさ、

好きなだけ甘えればいいよ。

とりあえず、なんか飲むか？

あ、酒以外でなっ。

水？　

…ま、それだけ酔ってれば水が一番か…、

ちょっと待ってろ。

そういやさ、

小学校のときに、オリジナルのマグカップを作ったよな？

ユヅキの家族と俺の家族とで一緒に旅行に行った先でさ、

作った作った。

正確には、マグカップに模様を付ける？みたいな感じでさ。

誰だよ、こんな遅くに…、

そっちこそ。

こんな夜更けに男の子の家に上がり込んで、何してるの？

ちゃんとした理由もないのに、こんな時間にここに来てるの？

ソウタだって男の子だよ？

迷惑かけてるって思わないの？

どうやら、かなりお酒を飲んでるみたいだけど…、

酔っ払っていきなり家に押しかけて。

おまけに雨に濡れて、着替えまで貸してもらってるみたいじゃない？

ほんと、キミって、

思ってたよりもどうしようもない子だなあ…、

迷惑極まりないよね、こんな子って。

サクヤくん、ちょっと言い過ぎだって…、

悪いけど、

ソウタはしばらく黙っててくれる？

…、

ごめんな、ユヅキ…、

実は、さっきおまえの家に電話したとき、通話口に出たのがサクヤくんだったんだよ…、

ユヅキに話したら嫌がるかなと思って、そのこと黙ってたんだけど…。

サクヤくんも『分かった』って言って電話を切ったから、

まさかうちに来るなんて思わなくてさ…。

ここの住所も、サクヤくんにはまだ教えてなかったし…、

僕、探偵さんだよ？

今ソウタが住んでる場所なんて、ちょっと調べればすぐに分かるよ。

…僕が勝手に来たんだから、ソウタのせいじゃない。

どうやらここに、ヤケ酒飲んで自滅しかけてる子がいるみたいだから、

面白そうだなと思って見物に来ただけ。

酔っ払ったところで何かが変わるわけでもないのに、

笑っちゃうよね。

そんなの分かるわけないじゃない。

うん、楽しいよ、

こうやって、バカな子のこと眺めるのって。

一人で勝手に荒れてさ。

自分自身を見失いそうになってる子って、ほんと無様だよね。

なに？

文句でもある？

あるわけないよね、

本当のことを言われてるんだから。

……