言いながら、ルイくんは私の顔を横から覗き込む。

いつもそう。

言いたい放題、私をからかってはこんな感じで。

けど、すごく楽しそうなその笑顔を見ていると、

ムキになっているのもだんだんとバカらしくなってくる。

なんとか笑いを噛み殺したルイくんに向けて、満足げに頷いて見せた。

チラリと、まだ笑みが残るルイくんの横顔をこっそり見入る。

栗色の髪が夜風にさらさらと流れて、憎らしいくらいの精悍な風貌。

性格も悪くない。

ルックスもハイレベル。

そういえば、ルイくんの彼女の話とか聞いたことがないけど。

…例えば、アイドルみたいな、女の子らしくて可愛くて、ふわふわした感じの女の子…とか？

架空のカップリングな二人は、私の頭の中で映画のジャケットみたいに画（え）になる。

そんなことをぼんやりと頭で巡らせながらそろりとルイくんに視線を戻せば、

思いがけず、ばっちりと目が合ってしまった。

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