-
ルイ
つーか、
-
ルイ
ヒナ、甘いもん苦手ちゃうん?
-
言いながら、ルイくんは私の顔を横から覗き込む。
-
ヒナ
ん…まあ、そうなんだけどね。
-
ヒナ
気持ちが嬉しいから。
-
ヒナ
苦手でも、頂き物はありがたく食べるよ。
-
ルイ
相変わらず律儀やな、ヒナらしいわ。
-
ヒナ
私が甘いものが苦手なの、覚えててくれたんだ?
-
ルイ
もちろん覚えてるで。
-
ルイ
ヒナがなかなかの酒豪なんも知ってるし。
-
ルイ
酒飲む人って、あんまりスイーツとか食べへんらしいよ。
-
ヒナ
…なんか私、オヤジみたいだね。
-
ルイ
おん。
-
ルイ
ヒナの中には、ちっさいオジサンが住んでるんやんな?
-
ヒナ
ちょっ、うるさいよっ。
-
いつもそう。
-
言いたい放題、私をからかってはこんな感じで。
-
けど、すごく楽しそうなその笑顔を見ていると、
-
ムキになっているのもだんだんとバカらしくなってくる。
-
ルイ
あははっ、嘘や嘘っ、はははっ、
-
ヒナ
…いつまで笑うのさ。
-
ルイ
もう笑わんからっ、
-
ヒナ
…ん、それならよろしい。
-
なんとか笑いを噛み殺したルイくんに向けて、満足げに頷いて見せた。
-
ヒナ
……
-
チラリと、まだ笑みが残るルイくんの横顔をこっそり見入る。
-
栗色の髪が夜風にさらさらと流れて、憎らしいくらいの精悍な風貌。
-
性格も悪くない。
-
ルックスもハイレベル。
-
そういえば、ルイくんの彼女の話とか聞いたことがないけど。
-
ヒナ
……
-
…例えば、アイドルみたいな、女の子らしくて可愛くて、ふわふわした感じの女の子…とか?
-
ヒナ
(——…わわ、めっちゃお似合い!)
-
架空のカップリングな二人は、私の頭の中で映画のジャケットみたいに
画 になる。 -
ルイ
……
-
そんなことをぼんやりと頭で巡らせながらそろりとルイくんに視線を戻せば、
-
思いがけず、ばっちりと目が合ってしまった。
-
→
タップで続きを読む