-
ルイくんは、時々こういった恥ずかしくなるような褒め言葉を言っては私をからかう。
-
仕事虫で色気もない私のどこが可愛いんだか。
-
ルイ
いつも言うてるけど、
-
ルイ
冗談ちゃうで?
-
ヒナ
はいはい、いつもありがと。
-
ルイ
可愛げないなー。
-
ヒナ
だから言ってるじゃん、
-
ヒナ
可愛くないって。
-
ルイ
いつも可愛いのに、今みたいなときだけ可愛げがないねん。
-
肩を竦めるようにして言うルイくんに、つい私もムキになる。
-
ヒナ
何それ。
-
ヒナ
一応これでもキミより8歳年上、言葉には気を付けようねー。
-
ルイ
何を今更。
-
ルイ
そもそも歳とか関係ないし。
-
ヒナ
関係あるもんっ。
-
ルイ
こんなちっさい奴、
-
ルイ
幾つ年上やっても、俺から見たらハムスターレベルやわ。
-
ヒナ
ハ、ハムスターって…、
-
ヒナ
(もはや、ヒトですらないのか、私は…)
-
目を見開いて反論しようとするも、やすやすとそれは遮られて。
-
ルイ
ほんま、ああいやこう言うで、強情や。
-
上から大きな手が降りてきたかと思うと、優しく頭をポンポンとされた。
-
ヒナ
く…っ、
-
ルイ
悔しい?
-
ルイ
いつもちょうどええ位置に頭あるから仕方ないで。
-
ルイ
俺の勝ちやな。
-
ヒナ
…む。
-
ヒナ
(年下のくせに生意気なっ)
-
むうっと唇を尖らせてそう思いつつも。
-
やがて諦めたように微笑めば、視界の端で満足そうなルイくんがニシシと笑っているのが見えた。
-
→
タップで続きを読む