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レン
……
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レン
(やっぱりなんか、妬いてんじゃねーか…?)
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こっそり探るように見据える俺には気付かない様子で、アイリは不貞腐れたようにカフェオレを飲み干すと、
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タン!…とテーブルにマグカップを叩き付けるように置いてから、にっこりと微笑んだ。
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アイリ
合コン、楽しんでねー。
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レン
…、
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アイリ
ごちそうさまっ。
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レン
…おう。
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アイリ
……
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レン
……、
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アイリ
……
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アイリ
…、心配だから…、
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レン
え?
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アイリ
———りして、待ってる…。
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そっと呟いた後、ぴょんと軽く跳ねるようにして椅子から離れる。
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レン
…、
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レン
(『待ってる』…?)
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レン
(今、なんて言った?)
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はっきりと聞き取れなかったことがもどかしく、俺は反問するようにアイリを見つめた。
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レン
悪い、アイリ、
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レン
なんて言ったか聞こえなかったから、もう一度…、
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アイリ
なんでもない。
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アイリ
独り言だから気にしなくていいよ。
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向き直ることなく切り返した桜色の唇は、俺にそれ以上の声を届けることはなかった。
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