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キザキさんとの同居生活が始まってからある程度日が経ったが、
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危惧していたほど居心地は悪くなかった。
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というのも、
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キザキさんも私も仕事が忙しくて、すれ違いの日々が多いからだ。
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顔を合わせない日は、ちょっとホッとする。
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だけど、
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リビングで鉢合わせたり、
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キザキさんを見かけたりすると、
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たちまち自分のペースが乱れて、
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形容するには難しい妙な感覚が押し寄せた。
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なんというか…、
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彼のことを考えるだけで、なんとなく落ち着かない。
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ユヅキ
(……)
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<一期一会>
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最近、誰かが言っていた言葉をふと思い出す。
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もちろんその言葉の意味を、ちゃんと分かっているつもりだけど。
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別に、それを無駄にしてもいいんじゃないかと思える、今日この頃。
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