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キザキ
夜の街って、昼間よりもリスクが多いからね。
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ユヅキ
…ご心配なく。大丈夫ですから。
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キザキ
どうして?
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キザキ
ソウタが一緒だから?
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ユヅキ
そういうわけではなくて。
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ユヅキ
いつも行ってるカフェですよ?
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ユヅキ
場所が場所だけに、一人でも問題ないということです。
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キザキ
行き慣れた場所だとしても、
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キザキ
女の子の夜遅くの遊びでの外出はオススメできないよ。
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ユヅキ
女の子って…、
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ユヅキ
もう子どもじゃないんですから。
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呆れたように反論した私に、キザキさんは肩を竦めて失笑に似た笑みを滲ませた。
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キザキ
だから、心配なんだけど?
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ユヅキ
…え?
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キザキ
キミが魅力的な大人の女性だから、普通に心配するんだけど?
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ユヅキ
そ…っ、
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ユヅキ
そういうこと、平然と言わないでもらえます?
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キザキ
どうして?
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ユヅキ
…なんか…、
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ユヅキ
調子、狂うので。
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キザキ
僕は思ったことを正直に言ったまでだよ。
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ユヅキ
……
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キザキ
…、
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キザキ
僕のことが、気に入らない?
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ユヅキ
…、
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ユヅキ
いえ…。
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短い返事だけを示すのが精一杯で。
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そう、きっと。
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最初に会った時から気に入らないから。
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否定という社交辞令だけで止めておかないと、色々と暴発しそうで。
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ユヅキ
…行こう、ソウタ。
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ソウタ
お、おう…。
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わずかにたじろぐソウタの表情は紛れもなく、この張り詰めた空気に動揺を隠せない心の表れで。
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それを申し訳なく思いながらも、
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今はキザキさんと視線を合わせない。
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ユヅキ
……
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キザキ
……
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広いリビングでひとりぼっちになるキザキさんを置き去りにして、
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私はソウタと共にその場を後にした。
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