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ユヅキ
なに言ってんの、ほんとのことだし。
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ソウタ
まあ、あれだな、
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ソウタ
俺とユヅキは一番恋人に近いっつうか…な?
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ユヅキ
幼馴染だよ、ただの。
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ソウタ
冷てーな、ユヅキー!
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ユヅキ
あのさ…、
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ユヅキ
今日もうちで自分の家みたいに朝まで過ごすんでしょうが。
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ユヅキ
これだけ好きにさせてあげてるのに、これ以上甘やかしてどうするの。
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柔らかに目元を緩めつつも、バッサリと窘める。
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けれど、ソウタはめげることなくニヤリと眦を下げて続けた。
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ソウタ
なあ、ユヅキ。
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ソウタ
子どもの時みたいに一緒に寝る?
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ユヅキ
は…?
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ユヅキ
隣の部屋で寝なさい、いつもみたいにっ。
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ソウタ
えー、
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ソウタ
いいじゃんかー。
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ユヅキ
ぜんっぜん良くないっ。
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ユヅキ
下心丸出しのエロ青年に興味はない。
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ソウタ
ひどい言われようだっ。
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ソウタ
健全な青年と言ってくれ!
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ユヅキ
無理。
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ユヅキ
口が裂けても言えないな。
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甘えるように二の腕に絡み付くソウタを振り払うようにしながら、
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大袈裟に苦笑を貼り付けた。
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子どもの頃からずっと、ソウタとのこういったコントみたいな掛け合いは当たり前の日常で、
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正直、気楽でいい。
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キザキ
二人とも、すごく仲が良いんだね。
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ユヅキ
幼馴染なので、それなりに。
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羨ましげなその低音にもう一度<幼馴染>を強調した言葉を返すと、
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キザキさんはからかいを含めてソウタの顔を覗き込んだ。
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キザキ
あくまで幼馴染だって、ソウタ。
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キザキ
だから仲良しなんだね。
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ソウタ
サクヤくんにまで言われなくても、最初から分かってるしっ。
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ユヅキ
ふふっ、
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ユヅキ
ちゃんと分かってるならそれでいい。
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笑いを零しながらそう付け加えると、ソウタはむくれたように唇を尖らせたけど。
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つん…と指先でそれを弾いてやれば、途端に浮かれたように機嫌が良くなる。
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キザキ
……
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そんな、まるで飼い慣らされた犬のようなソウタの姿を目にしたキザキさんは、
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やれやれといった風な笑みを口角に刻んだ。
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