夢主の名前を決めて下さい。
11. 空島最終決戦
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
雷雲の塊はそのままエンジェル島へとまっすぐに落下していく。
そして……
"ズドオオオオオオォォォォォンッ!!"
大爆発を起こした。
ウソップがゴクリと唾を飲み込む。
「な、何だ今の爆発は……それに、まだ雷の雨は続くのか……? もう生きて帰れる気がしねぇよ……」
ガン・フォールが悔し気に拳を握る。
「エンジェル島を消しおったのかっ……なんと、なんという非道を……エネルっ!」
「おい! 早くメリー号へ行こうぜ! 死んじまうよ!」
「ダメだ」
「何でだよゾロ!」
「ルフィは、アイツは鐘を鳴らすまで戻ってこねぇよ」
「はぁ!?」
「確かにそんなこと、言っていたわね」
「(コクン)…さるやま、れんごうぐんに、おうごんきょう、そらに、あったと、つたえる、ため」
「アイツは、やると言ったらやる奴だ。ナミが止めたって聞きゃしねぇよ」
と、そこに……
「うおっ、危ねぇ! また何か落ちてくんぞ! 気ィつけろ!」
「あ?」
何かの影が差した。
ウソップの言葉に全員が空を見上げると、確かに何かが落ちてくる。
先ほどのツルの先端とは違い、ふわふわゆらゆらと。
正体が見えてくると、ティオは首を傾げた。
「はっぱ?」
落ちてきたのは、ジャイアントジャックの巨大な葉だった。
しかもよく見れば、ナミの字で何か書いてある。
ロビンがその文字を読んだ。
「『この巨大なツルを西へ切り倒せ』ですって」
「なに? ……って、そうすりゃどうなるってんだ?」
首を傾げるウソップに、ティオが推測を伝える。
「たぶん、あの、くもまで、いきたい」
「雲?」
ティオの指す方を見上げれば、何やらこじんまりとした島雲が浮かび、その横にエネルの船がつけられていた。
ということは、そこに鐘楼があるのだ。
「なるほど? あそこに向かって、そのバカでけぇツルを倒しゃいいってわけだ」
「(コクン)」
「って、ホントにやんのかよ!」
ウソップがムンクのような表情をしたそのとき、夜のように暗かった辺りが、急に明るく照らされた。
「んなっ、あれは、さっきの雷雲! しかもさっきの数倍デケェ!」
立ち込めていた黒い雷雲の一部がぽっかりと空いて、そこに先ほどと同様の丸い雷雲ができていた。
その規模からして、今度はスカイピア全土を吹き飛ばす気らしい。
「もう逃げ場がねぇっ」
「んじゃ、やるしかねぇな、ウソップ。倒すぞ、そのツル」
「んなっ、ゾロお前、いくらお前だってそんな無茶な!」
「じゃあお前、上行ってルフィ止めてこい」
「止まる奴かよ!」
「だろ? とにかく、無茶でも何でもやってもらうしかねぇ。ルフィがエネルの野郎を倒さなきゃ、ここもなくなっちまうんだ」
ゾロは刀を一本抜き、ジャイアントジャックへ向かって走り出した。
そして飛び込むような形で、ツルの片方を輪切りにする。
"ズバンッ!"
しかし……
"バチバチッ…ズドォンッ!"
「うぇえっ!? ゾローっ!」
エネルの差し金か。
ゾロに雷が落ちる。
ゾロはそのまま下層へと落ちていった。
「おいっ、下は遺跡だぞ! これ以上のダメージはさすがのゾロでも……」
「だいじょぶ」
「へ?」
"ボンッ"
ウソップの横をすり抜けて、鳥になったティオがゾロの元へ飛んでいった。
そして最大限の力でゾロの身体を押しやり、遺跡の合間に見える島雲に落ちるよう誘導する。
"ボフッ"
何とか、ゾロにこれ以上ダメージが加わることは避けられた。
「うおおおっよくやったティオー!」
……しかし、もう一つ問題がある。
「嘘でしょう……?」
「なっ、倒れねぇだと!?」
ゾロに輪切りにされたジャイアントジャックは、びくともせずに佇んでいた。
それを見て、ワイパーが立ち上がる。
「フン……ざまぁないぜ。よそモンが首突っ込むからだ」
「ワイパー無茶だよ!」
「黙ってろ。あの鐘は、カルガラの遺志を継ぐ俺たちが鳴らしてこそ、意味がある。……あの麦わらには何の関係があるというんだ」
「それは「あーあーほっとけロビン。あんな重傷マンに止められるもんか。今はあのツルを倒す方が先だ。上でルフィたちが待ってる。……とにかく、ゾロが半分切ってくれてるんだし、もう全体は傾きかけてるはずだ。俺様の火薬星の舞いを炸裂させることで、奴は大きな悲鳴と共になぎ倒されるのだ! やはりこの海賊団、俺様こそが砦なのだ! ロビン! お前は倒れた者どもを見ててくれ!」
自信たっぷりのウソップに言われ、ロビンが気を失っている負傷者の方へ振り返れば、爆風で上手いこと舞った葉によって、全員くるまれていた。
「かしわ餅ね」
「出動だ! うおおおおおおおっ!!」
ウソップはパチンコを手に、走っていってしまった。
ロビンはワイパーに視線を向ける。
「……400年前、青海でとある探検家が、黄金郷を見たと嘘をついた」
「?」
「世間は笑ったけれど、彼の子孫たちはその言葉を信じ、青海で、ずっとその黄金郷を探し続けている」
「!」
「黄金の鐘を鳴らせば、黄金郷は空にあったと伝えられる。麦わらのあの子はそう考えてるのよ。素敵な理由じゃない? ロマンがあって。……こんな状況なのにね。脱出のチャンスを棒に振ってまで。どうかしてるわ」
火薬星を連射するウソップを見ながら、ロビンはわずかに微笑んだ。
「そいつの、子孫の名は……?」
「モンブラン・クリケット」
「ならば、400年前の先祖の名は、ノーランドか」
「えぇ」
ロビンの答えを聞くと、ワイパーは歩き出した。
自分の目的と麦わらの目的が繋がった。
不本意だが、そう感じざるを得なかった。
もちろんアイサが止めるのも聞かない。
「くそっ、これでもダメか……よーし今度は三連火薬星で「どいてろ」
ウソップを押しのけて、ワイパーはジャイアントジャックに登った。
ゾロが斬った切り口の傍に、右手を押し当てる。
……これを倒せば、自分の代わりに麦わらが……
他人を頼るなんて、らしくない。
それでも、今はこれしか鐘を鳴らす方法がない。
ここに至るまでに犠牲になった仲間や、シャンディアの先祖の分も……
「リジェクトォォォッ!!」
"ズドオォンッ!"
雷に勝るとも劣らない、大地を揺るがすほどの爆発音が響いた。