＊第十話＊ファーストキス





前世の記憶




プリンセス・テラは群青色のドレスを軽く持ち
二人を探して走っている




エンディミオンお兄様から今日プリンセス・セレニティが
お忍びで地球に来ると聞き
大量の習い事を終え
プリンセスに会いたくて早足になる




噴水の前で二人を見つけ声をかけようとした時
二人は見つめ合った後、自然と目を瞑りキスをしていた




テラは二人の光景を見た後
ゆっくりと前に来た道を戻る




キスってどんな感じなのだろう…




自分にもいつか
キスを許せる素敵な人が現れる？




あの二人のように、幸せそうなキスが出来る？




ねぇ…フェニックス




フェニックスは…私の事…どう見てくれてるのかな…？

















森羅はゆっくり目を覚まし起き上がると
鞄に着いているモンレーヴ・パリエを持って
胸の近くで抱きしめる

その頬は少し赤みを帯びていた






『…フェニックス』






森羅はしばらくモンレーヴ・パリエを抱きしめていた