茶色の少し大きな鳥が、桜蘭の制服を着た男性の腕に止まると
森羅はソッと声をかけた






『それは…鷹…ですか？』


「！…そうだよ…鷹に興味があるの？」


『い、いえ…スゴく響く鳴き声だなって
追いかけて来たんです…』


「…鷹だけじゃないけど、鳥は色んな鳴き声を使い分けるんだ
食べ物ねだり、飛び立ち、恐怖、なだめ、威嚇
求愛、仲間を呼ぶ時とか…色々ね」


『そんなにいっぱい使い分けてるんですか？
スゴいですね、鳥って…』


「…触ってみる？」


『え！？…いいんですか？』


「この鷹は利口だから噛んだりはしないよ
…君が怖がらなければね」


『…はい！』







森羅は男性に近付くと
鷹の背中に向かって手を伸ばしたら
鷹の瞳と目が合った時
あの夢の鳥を思い出すと自然に鷹の背中に触る事が出来た







『あ、温かい…』


「！？」






男性は森羅の嬉しそうな顔にドキっとするも
すぐに笑顔になる






「馬より鳥の方が好きとか…君変わってるね？」


『そ、そうですか？』


「制服みる限り桜蘭の生徒じゃないよね？」


『は、はい！桜蘭高校1-Aの藤岡ハルヒの妹で
森羅といいます！』


「…あぁ！クラスで有名だよ藤岡君の妹で天才ピアニスト！」


『そ、そんな！私まだまだ未熟者で…そ、それに
ピアニストなんて手が届かないといいますか…』


「謙遜しないで…僕、藤岡君と同じクラスの
烏丸大和(からすまるやまと)って言うんだ、よろしくね」


『ハルちゃんのクラスメイトさんだったんですか！？
ハルちゃんがいつもお世話になってます！』


「…そんな深く女子からお辞儀されたの初めてだな」


『す、すいません…』


「謝らないでよ…もしよかったら
奥の鳥小屋まで案内しようか？
他にも色んな鳥を管理しているから」


「本当ですか！？」






何やらいい感じの二人に気付いて見つめる
ホスト部とふて腐れてる双子