光・馨に連れて行かれたのは立派な更衣室


化粧や髪をセットしている間に
最後の曲の譜読みを何とか終えた森羅

ドレスを渡されて森羅が着替えている間
双子はカーテンの前の椅子でくつろいでいた







光「いや～久しぶりに本気出たな馨？
あんなやりがいのある顔、珍しいもんなー」

馨「髪も長いからアレンジしやすかったけど
以外にフワフワで軽くてビックリしたねー」






二人が話してると後ろから森羅が声をかける






『先輩…これでいいんですか？』


光・馨「「はーい！みせ………………」」






二人の前に表れた森羅は
足首まである黄色のAラインドレスに
いつも下ろしていた髪を編み込みアップにしているのもあり
森羅の柔らかい雰囲気がより一層際立っていた







『先輩方…？』


馨「！…うん、スゴく似合ってるよ！」


光「…胸元なんか寂しいから着けるか」







頭を掻きながら光はカーテンの奥のクローゼットに向かった
森羅は落ち着かないのか、ソワソワしていて
その様子に馨は少し笑ってしまった






馨「緊張してる？」


『は、はい！こんな素敵なドレスに
髪やお化粧までして頂いたから本番死ぬ気で頑張らないと！
…って思ったら変に緊張してしまって』






どうしようと、少し落ち込む森羅の様子に
馨は微笑みながら森羅の頭の上に手を置いた







馨「いつも通りでいいんじゃない？」


『…………』






馨の言葉に森羅は嬉しそうに馨に微笑んだ







『ありがとうございます、"馨"先輩！』


馨「え＿＿＿＿」






"何で光じゃなくて馨って分かったのか"
そう聞こうとした時、ちょうど光が戻ってきた


森羅に着けたネックレスは
白いダイヤがあしらっているシンプルなものだったが
森羅にとても合っていた








光「どう、馨？」


馨「…うん、良いと思うよ」


『先輩方、最後までありがとうございました！』







もうそろそろ時間ですよねと、慌てて更衣室を出る森羅に
双子は森羅の後ろ姿を静かに見つめていた