Act.2 ブラック・ムーン編(完結)
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第十三話*デマンド
あやかしの四姉妹は静かに桜蘭高校を去っていった
泣きつかれた森羅は保健室のベッドで眠っていると
その側に静かに近づいていたのは光だった
光「……森羅」
保健室にしては広過ぎるサイズのベッドに
光は静かに足を組んで座ると
森羅の顔を心配そうに見つめた
光「…バカだな、泣きすぎて肌荒れてんじゃん」
指で優しく涙の痕をなぞる
他人の為にあんな悲しくツラそうに泣いていた森羅
光「…あんな顔見たくない……でも」
もし自分に何かあったら
森羅はあんな風に泣いてくれる?
光「…最悪だな…俺って……」
自分にこんな汚い部分があったことに慈悲になっていると
森羅が虚ろな瞳のままゆっくり起き上がった
光「…大丈夫か?」
『…ひかる…先輩…』
光「!!」
まだ寝起きのせいか
少しあどけない森羅の表情にドキッとすると
森羅は周りを見渡していた
『…ペッツさんは?』
光「妹達連れて今さっき帰った」
『…そうですか』
眉毛が下がり悲しそうに呟く森羅は
布団を強く握りしめていた
光「そんな落ち込むなよ!
あの人も森羅にありがとうって言っ『そん事ない!!』
光「!?」
『…私がサフィールさんと一緒に行ってれば
サフィールさんを助けられたかもしれない!!
二人は幸せになってたかもしれないのに…っ……私は……』
布団にうずくまる森羅の背中を
戸惑いながらもゆっくり手を置いた
『私は…ハルちゃんやホスト部の皆さんを守りたくて
…優先してしまったんです』
光「…………」
『こんな自分が……っ……嫌いです』
森羅の群青色の瞳からまた涙が滝のように溢れていた