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朝、国重は皇嵐たちの代わりにとキッチンにたち料理をしていた。彼らの代わりに朝ごはんを作る、慣れた和食を……様々な世界を渡り数百年。
色々なものを見てきて、色々なものをしれた。平べったい板で連絡を取れること、そして宇宙船という奇怪なもの…様々なものを知りここに来た。 -
国重
(ほんと、よくできた世の中っすね…)
[だし汁を小皿に注ぎ、ひとくち飲みながら味を整える] -
どうやら彼ら2人はまだすやすやと夢の中だ、現在の主であるラディッツは不眠気味だから今のうちに寝てて欲しいものだ。
契約をした自分たちは一心同体にも近い、ラディッツはそれに無自覚だからこそ大変だ……全く妻と娘以外に関心のない大変な主だ。 -
国重
ん??
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そうしていると小さい、小さい気配がしてくる。ふわりと春の陽気……さながら吉野の桜のような淡くも可愛らしい気配が。
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ラディ
[じぃっ、としっぽを揺らし国重の姿を見ている]
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国重
(おやあれは、お嬢様……どうされたのでしょうか)
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そこにいるのは数年前に生まれた、ラディッツと皇嵐の娘だ。神と人、…詳しくいえば違うがまさかの種族のものたちから子をなされるとは。
国重にとっては現代の主の娘となり、いわばもうひとりの上司だ。何をしてるのだろうか…少し、お相手をしようとクスリと笑う。 -
国重
あーぁ、朝から厨に立つというのも大変です……この国重の手伝いをしてくれるお方がいたらいいのですが……
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ラディ
おてつだい……?
[ひょこりと姿を表す、手にはうさぎのぬいぐるみを持っている] -
国重
おや、お嬢様。お早いお目覚めですね、おはようございます。
…ええ、俺様お母様たちから朝の支度を任されたのですが…少し困ってて俺様が作った味噌汁の味見をしてくれませんか? -
ラディ
みそしる…?、国重の!
する!!! -
国重
ああ、ありがたいですよ。お嬢様。
…では、よろしくお願いしますね?
[小皿に汁を入れて、ラディへと渡す] -
ラディ
ん!!!
[国重から受け取り、ふーふーとして飲む] -
ラディ
おいしいよ!国重!!
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国重
ふふふっ、そうやって喜んでくれて嬉しいですよ
お嬢様
ではそんなお嬢様にこちらも、はいどうぞ
[横で焼いていた焼き魚の身をほぐし1口あげる] -
ラディ
ん!!!
おいしいー!、へへっくにしげっありがとー -
国重
俺様もですよ、かわいいお嬢様に手伝ってもらって助かります
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ラディ
くっ、くにしげっっ
[少し頬を赤くして国重の裾を引っ張る] -
国重
ん?、なんですかお嬢様
俺様に話したいことあればどうぞ
[しゃがみ、目線を合わせる] -
ラディ
国重、あのねわたし……国重のことっ好きだよ
とーとはくにしげのことにらんだりよくするけどっわたしはすきだからね -
なんと甘くも愛らしいお言葉か春風のように耳に届き彼女の声はくすぐったい。
国重は思わずくすくすと笑い、ラディにお返しにと耳打ちした。 -
国重
それはそれは……とてもとても有難く
俺様もお嬢様のこと好きですよ?、お嬢様の声は心地いい… -
国重
山桜を運ぶ春風のようだ
これからも俺様に伝えてくれます? -
ラディ
っうっ、うん!
国重に言うよっすきって -
ああ、なんと美しく華やかな娘なのだろうか。国重にとってラディは眩しくてたまらない、春の女神のようだった。
そこらの女神じゃ叶わないほどの愛らしさも持ち合わせている。この娘には何人なりとも叶わないのであろう。 -
ラディ
へへっ国重いつもありがとー
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国重
…何のこれしき、刀の…いえ俺様の役目ですからね
さてお嬢様だけでも先にっ!? -
ぷちゅっと頬になにか柔らかいものが触れる、なんだろうとおもい理解するのに国重は時間がかかった。
ラディの瑞々しい唇だ、それが国重へと振ってきたのだ。ラディ本人はそれに頬を赤く染めてえへへっと笑う。 -
ラディ
とーととマーマがしてたまねっ
好きな人にするのってマーマにおしえてもらったからっ -
国重
(俺様、主に殺されないか!?)
…そっそう、ですかい…… -
国重は己の顔に触れる、そこにあるのは主君織田信長を失った証のひび割れたあざ…空虚の塊。
そこにラディの唇が触れた時、不思議と満ち足りたような感覚もあった。この娘にはやはり不思議な力が、母親譲りのものがあるのだろうか。それとも、かつて『宇宙の悪夢』と恐れられた男の力の欠片なのか── -
国重
(いやねえっすわ、カリグラさんのは……戦闘能力は受け継がれてるやもしれませんが)
お嬢様、して下さったのは有難いですが今後からはこちらにしてくれませんか?
[両手を広げる]
ほらお父様たちにもされてたぎゅーですよ? -
ラディ
ぎゅー!、するー!!!
[とてとてとかけて国重にだきつく]
えへへっ国重あーったかいねー -
ラディ
いい香りもするー、くにしげの香り好きー
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国重
おやおや、それはありがたい。
でしたら朝餉を食べたあと教えましょうか?、雅に飾り付けるのも姫様の役目というものですから
(本当に愛らしい姫君だ)
[ぎゅっと抱きしめて離す]
ほら、たべますよ? -
ラディ
うん!
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さすがに頬にキスは今後ラディッツの前でされたら殺されかねない、あの男見た目に似合わず意外と親ばかでラディが国重に淡い恋心を抱いていることもみぬいていた。
それが将来、どう動くかは分からない…ただ抱きしめ合うなら家族でもしている。
一回は殺されるがきすよりはましであろう。そうおもい、国重はおしえなおした。 -
国重
(一死くらい覚悟しますよ、ええ。まあもし俺様にこれからも好意を抱いていたら面白いですが)
…どうです?、お嬢様 -
ラディ
うん!、くにしげのおいしーよ!!
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ラディ
くにしげーしょーらい、とーととマーマみたいになろーね?
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国重
おっと、誰に似たんですかいその積極性
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ラディ
だーめ??
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国重
お嬢様は愛らしい子ですからねぇ……俺様のように血濡れたものより綺麗なものにしなさい
……ですが、大人になってもというなら考えますから
その時までは、まだね?(断って泣かれても困る、それに……さすがに幼子のでしょうから) -
ラディ
国重、あのねわたしは国重のこと好きなのに?
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国重
ええ、色々とありますから
だから大人になったら……ね?、お嬢様
俺様とお嬢様の約束ですよ -
ラディ
うんっ!
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幼子ながらの初恋の心、そして密かな積極性……ラディッツの面影とカリグラのが香ってきたがこの幼子に彼らのバイタリティはとんでもないと思いつつはなした。
約束、と指切りをしてラディに朝餉を食べさせていく。
やはり何かを察したラディッツからは全力で追いかけられて殴られた。 -
国重
なんなんすか!、あの主!!!
どこから気づいて、「うちの娘誑かしたな?」ってやるんすか!!
……俺様別に誑かしてはなくて、上手く受け流したつもりですけどね……
[本体に写る少し赤い自分の顔に自嘲気味に微笑む] -
国重
はァァァ……誑かされたのは俺様ですっての、あんな綺麗な魂から言われたら無理なんですよ……ええ、本当に弱くって
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国重
……お嬢様には、かなり弱くなりそうだ
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あんな綺麗な魂の子にまっすぐ好意を向けられるなんてなかなかないのだから、ああおとなになったらどういうことになるのやら
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